☆短いお話☆

□道草/ユンジェ
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ある日の昼下がり。メンバー皆でリビングで寛いでいれば『天気も良いし、買い物ついでに散歩にでも行こうかなぁ』とジェジュンが不意に呟く様に言って、ちらりとユンホに視線を送った。

ジェジュンは性格上、素直に気持ちを吐露するのが苦手な様だ。
しかし流石の長い付き合い。自分に送られた視線は“一緒に来てくれないかな〜”という意味だということをユンホは理解していた。

『買い物に行くのか?じゃあ俺は荷物係でお供をしようかな』

言いながらユンホは座っていたソファーから立ち上がる。またジェジュンと目が合った。嬉しいのか、軟らかい笑みを見せている。ユンホも自然と口元を綻ばせる。

『兄貴達が買い物行くなら俺も付いて行こうかな〜』

ユチョンとじゃれついてカーペットの上で転げいたジュンスも声を上げる。
その言葉に一瞬部屋が凍り付いた様に思えた…が、ユチョンがすかさずジュンスを制止する。

『あ、あ、あのさ!ジュンス様!ちょっと歌詞書いたんだけど、見てよ!今すぐ!』

慌てて立ち上がったユチョン。寝転がったままのジュンスの腕を無理矢理に引っ張り、ずるずると引きずりながら自分の部屋に連れていく。
買い物行きたいのに!服が伸びる!と騒ぎ立てながらも何処か楽しそうに引きずられて行くジュンス。
チャンミンは一人掛けのソファーに座って難しそうな本のページを静かにめくっていた。素っ気ない態度でいってらっしゃい、と呟く。
チャンミンはジェジュンとユンホが仲良くするのをあまり快く思っていない様だ。
ユンホにはその理由が分からず、いつも不思議に思っていた。
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