01/25の日記

16:42
キライな貴方
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がっ
どこからか飛んできた石はナルトの頭に当たり、怪我を負わせた

「ナルト!」
「っ…」

それにあわてた私に対してナルトはなぜか冷静だった
痛みを堪えて当たった頭部の箇所を押さえたナルトは何をするでもなく言う

「平気だってば」
それより任務、遅れるってばよ

にこり笑みをこぼして私を見た
どうしてっ、
そんなナルトを見て、眉をひそめずにはいられない。
石の飛んできた方向から誰が投げたか見当はついている
だから、私はそんなナルトに言葉をかけるより先にそちらへ視線を向け動こうとした、すると
背後から手を引かれる
振り向くと困ったように笑うナルトと目が合い、
そうしてそのナルトの手の先には私の手

「止めないで」

なぜ、止めるの、だって今、ナルトは怪我を負わされたのにっ

「いいから、とにかくこの道は早く抜けるってば」

そのコトバに私の行動が軽率だったことに気付く
そうだ、こんな危ない所、早く去ってしまわなければ
けどっ…
ナルトは悪くない
悪いのは相手
このまま去れば、逃げることになる

「いいから、な?」

言い聞かせるように言うそのナルトの声音はどこか優しく、落ち着いている
ああ、そんなふうに言われたら
従わざるおえないじゃない
しぶしぶ自分の怒りを抑えた私はそのままナルトに手を引かれその場を通り抜けた


集合場所に到着したのは私たちが一番のりみたいで
まだ誰も来ていない
だから、先ほどの思いをナルトに言ってしまう

「どうして、止めたの?あれは、ナルトに対する暴力だよ!」

憤慨する私にナルトは驚いたようで目を見開いた。
けれどすぐに
すっと目を細めるとその蒼い瞳で見つめ返され心が震えた
そうして
それは、その表情は微苦笑に変わり

「これは、仕方のないことなんだ」

ぽつり、言われた言葉にはっとした

「そう、俺は生まれた時点でこうなることは決まったのだから、受け入れるしかないんだ」

そう後半は私から目をそらしながら笑って言ったナルト
その視線の先には何もない原っぱ
けれどその瞳に写しているものは哀しみの色でしかない
ナルトはそう笑って言うことでごまかしているんだ

けど、私は騙されない
騙されてあげない

だって、ナルトはいつもそうやってホントは泣いているんだもの

ねぇ、私には甘えてよ
いつだってそうやって独りかかえてしまわないで

私心配なの
いつも笑顔の貴方がいつか笑えなくなってしまうんじゃないかって…

ちゃんと見てよ、
貴方を選び必要とする存在はちゃんとここにいるから
だから、もうそんな暗い色の瞳であきらめたように笑わないで。

私は
貴方が好きだけれど
そんな表情をする貴方は、


キライ






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シリアス目指したら片思い風味に?
いつも笑顔なナルトくんなので、暗い表情させるとどうかな、と
いえ、ただ単に「そんな貴方の表情キライ」という台詞を入れたかっただけでした。


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