小説
□glissando
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わしの恋人はピアニスト。
鍵盤を滑る
白くて長くて神経質そうな、
いつでも爪の短い指が
わしは好きだ。
「今日はどの曲を?」
「何でも良い」
そんな会話から始まって。
楊ぜんは、わしがずっと昔に好きだと言った曲とかも覚えていて、
順に弾いていく。
どの音色も。
酷く心地よく。
やわらかい曲調。
鍵盤を滑る長い指。
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