□『火神君の事が好きだった赤司君が逆行した話(目覚め)』
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パチリと、赤司征十郎はベッドの上で目を覚ました。

目に映るのは見慣れた白い天井と照明、淡く光を透かすカーテン。
懐かしい実家の、自分の部屋。

ゆっくりと身体を起こして、一つ欠伸をこぼす。

この部屋で寝起きするなんて、どれくらいぶりだろうか。
中学の頃は毎日を過ごしたこの部屋も、高校は寮に入り、大学からは一人暮らしと実家を離れ、年に何度か──それこそ片手の指の数で足りる程度──訪れるだけになっていた。

それにしても、今回は一体何用があって来たのだっただろう。
一人暮らしのマンションに帰らずにこちらに泊まったのなら、夜遅く来たのか早朝の用でもあったのか。

(……おかしい。思い出せない…──ッ)


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