□『逆行した赤司君が《前》を夢に見た話』
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火神と再会した、その影響なのだろうか。
懐かしい夢を見た。





赤司が一人暮らしを始めたのは、大学入学に際してだった。
それから約八年間を過ごした部屋はすっかり住み慣れ、社会人になった後も特に不都合を感じた事はなかったのだが、今回引っ越しを決めた。
懐かしいW.C.会場からほど違い、ファミリー向けのマンションの最上階に空きが出たと聞いて、すぐに飛び付いたのだ。

その部屋は、海外で仕事に就いている人が所有していた部屋で、数年前まではそこの息子が一人暮らしをしていたのだという。
その息子も、今は海外に生活の場を移したために、住人不在のまま所有権のみ残していたのだが、ついに手放す事にしたらしい。


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