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□いつまでも変わらない君で
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昼休みの屋上。いつものように鍵を開けて入ってきた。授業がめんどくさいからサボってきた。ふぅ、と肺の中の空気を吐き出して落下防止用のフェンスに寄り掛かる。下を見れば調度私たちのクラスが体育をやっていた。サッカーは男子だけで女子はテニスなのだが。あ、真田くんこけた。
ぼぅっとそれを眺めていると荒々しくノックをする音がした。誰だろうか。先生とかだったらめんどくさいぞ。このまま無視すればいいのだが流石にうるさい。仕方なしにドアへ近寄り停止する。何やら話し声がする。いないのではないか。役に立たぬなこの乳首。と聞き慣れた声がしたのでドアを開ける。

「…ど、どうもー…」
「なんだ、いるならすぐに開けぬかクズめ」
「よぉごんべえ!遊びに来たぜ!」
「う、うん。ありがとう?」

幼なじみの元就くんとチカちゃんだ。相変わらずチカちゃんは元就くんの尻に敷かれてるんだなあ。そう思うと元就くんって恐妻って感じがする。あ、見えなくもない。なんてことを考えていたら元就くんが私をキッと睨んできた。うわ、怖い。

「誰が恐妻ぞ!まず我は男だ!乳首などと婚約などしたくないわ!」
「なあ、乳首って呼ぶのやめようぜ毛利さんよォ…」
「何か言ったか。貴様には乳首以外に似合う名などないわたわけめが」
「…」
「げ、元気出してチカちゃん!チカちゃんはチカちゃんだよ!」

べしべしと体育座りするチカちゃんの背中を叩く。まあチカちゃんはワイルドなんだから乳首が見えたって仕方ないと思う。私的には、なんだけど…。ごんべえ…!と言ってキラキラとした目を私に向けてくるチカちゃんは、見た目に似合わず可愛らしい。さすが元姫若子。そこら辺にいる女の子よりよっぽど女子力あるんじゃないかってくらい女子力が高い。私なんてチカちゃんと比べたらスッポン以下だ。だからこんな時も上目遣いを外さない。あ、でもちょっと気持ち悪い…

「…ごんべえが引いているではないか。やめよ乳首。そのような目でごんべえを見るな!」
「だから長曾我部だっつゥの!つかごんべえ引いてねェだろ!」
「ごめん、ちょっと引いた…チカちゃんないわー…まじ乳首」
「えっ」
「フン。貴様はこのような扱いを受けるのが当たり前だ」
「いやいや、なんでだよ!意味わかんねェじゃねぇかよ!」

必死に反論するチカちゃんもとい乳首と、いつも通り身長は低いけどいつだって上からー毛利ーな元就くん。こう歌うと元就くん四の字固めしてくるんだけど。怖いから歌うのはやめておこう。ぼぅっと二人を眺める。貴様が乳首を出すから…だの、じゃあ着替えの時がどう…だの乳首議論になっていた。あれ、そういえばどうしてこうなったんだっけか。はっ、と気付きぽんっと手を叩く。すると二人が同時に私を見た。

「元就くん読心術持ってる!」
「「…は?」」
「だって私考えてただけなのに誰が恐妻ぞ!って」
「…貴様が口に出しておったわ」
「えっ、嘘」
「普通に言ってたぞ」
「うぇっ!?」

ばっと手で口を覆う。口は災いの元とは本当のことだな…!これから無意識に言わないように気をつけないとダメだな。すると元就くんがはぁ、とため息をついた。

「飽いたわ…我は帰る」
「えー…結局何しに来たかわかんない…」
「我も何をしにきたのかわからぬわ」

そう言って元就くんは扉の向こうへと行ってしまった。チカちゃんと二人っきり。なぜかしん、としてしまう。下からは体育をやっている生徒の声が聞こえる。れっつぱーりぃだとかてんっはっぜっそうだとか言ってるからきっと伊達くんと真田くんだな、わかりやすい…。なんて思っているとチカちゃんがぽすり、と私の頭に手を置いた。

「何があったか知らねぇけどよ、笑っとけ」
「へ?」
「ごんべえが最近授業サボり気味って聞いてよぅ、それで毛利と来たってわけだ」
「そうだったんだ…」
「俺も毛利もごんべえのこと心配してんだよ。だからよぅ、何かあったら頼ってこいよ」
「チカちゃん…」

俺らの仲だろ?と言ってにぃっと笑うチカちゃんはすごくかっこよかった。幼なじみだけど、その一線を超えても不思議じゃないくらいに今のチカちゃんはかっこいい。元就くんもわざわざ来てくれたし…。やっぱり持つべきものは友達だね!満面の笑みを浮かべてチカちゃんに飛びつく。

「えへへ、チカちゃんだーいすき!」
「ちょっ、ごんべえ…!?」

いつでもちゃんとぎゅっと抱き留めてくれる、君が好きだよ!





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5千打企画でのリクエストありがとうございます!
ギャグが苦手すぎてよくわからなくなりましたが、いかがでしたでしょうか…
こんな駄文で申し訳ありませんでしたm(__)m
書き直し受け付けております…!


(2012.05.03)


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