Pandora Hearts
□WORLDs END UMBRELLA
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ー二人きりの約束をした。
僕は傘の中で生きていた。
それは誰かに強制された訳じゃなくて。
自分で選んだ生き方だった。
ー見たくない。何も、見たくないんだ。
異質を写す瞳。
誰にも理解されない世界。
ならば僕が否定してしまえばいいんだ。
【World end umbrella】
「おいお前!!そこで何してる!?」
突然降ってきた声。
遮断したはずの僕の空からやってきた雨は…
めちゃくちゃうざったい熱血男の姿をしていた。
で、僕がその雨に抱いた思いはただ一言、いや、
「あ゛?」
一文字だった。
なんなんだよこいつ。僕の場所に急に入り込んできて、しかも…
「お、俺はエリオット=ナイトレイだっ!!」
我が物顔で威張りちらしてる。
「だから何?」
あぁウザい。
とっとと出ていって欲しくてその感情を全面に態度で示した。
みんな僕なんか構わなくていい。
たまに近付いてくる物好きも一言嫌味を吐けば離れて行った。
さぁ、とっとと出てけ。
僕はこの限られた世界の中で閉じ籠っていたいんだ。
ーなのに
「何でまたいるの?」
一週間後。顔をしかめた僕の視線の先にはまたあの男ーエリオットがいた。
「あー…フィアナの家に寄ったついでだ!!」
視線を泳がせながら言うエリオット。
「ふーん。毎日こんな所に来れるほど貴族のご子息様って暇人なんだねー。」
嫌味たっぷりに言う。
「そんな訳ないだろうがっっ!!!」
エリオットは怒るけど、
「ったく失礼な奴だな!!」
決して去る事はなかった。
毎日毎日
エリオットは僕の所にやってきた。
不快でしょうがなかった。僕だけの世界にやってきた異端者。
でも…