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□衝突
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それから1週間が経ち、俺は再び4201教室にやって来た。10時30分。まだ授業開始までだいぶある。
「おはよう!今日は早いね、真悟君。」
しかし、そこにはすでに井出雅がいた。
「おはよう。今日はって…痛いとこついてくるなぁ。」
「あはは。からかってごめんね。」

そうこうするうちに智鈴や啓太、1班の奴らも集まってきて、あいさつもそこそこにアドレス交換大会が始まった。

キンコンカンコーン

「ッセーフ!!」
本鈴と共に走りこんできたのは秀だ。
しかしすぐ後ろから来ていたらしい秋元先生に開口一番、注意を受けた。教室にどっと笑いが起こる。

「ではプリントを1枚取って回すように。」
ここまではよくある授業風景だ。しかしそのプリントの内容に、早くも俺はため息をつきたくなった。

(今日、多くの会社が利益を生むために効率化を図り、生産コストを抑える工夫をこらしている。そこで、班で1つの会社を取り上げ、その会社の取り組みとそれについての考察をまとめてプレゼンしなさい。)

「発表は来週、この教室で行う。1班30分を目安に5人で上手く分担すること。パワーポイントを使用してもかまわない。その場合はUSBにデータを入れて持ってきてくれ。では、なにか質問は?」

しーん

「とくになさそうだな。では、班ごとに分かれて相談開始だ。」

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