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□絆
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その日は突然やってきた。


学園は今、春休みで俺と土井先生は自分ちでのんびり過ごしていた。


そんなある日、土井先生宛に一つの手紙が渡った。


内容はどうであれ、すぐに戻ってくる、1週間くらいかなと微笑んでみせるから、安心して見送った。



今は3週間…。学校が始まっているのに、土井先生は未だに帰ってこない。





「土井半助が居なくなって、そのくらいか…。」


山田先生は職員室の廊下で外を見回し、そう呟いた。


きり丸は、心配な表情になる。


「土井先生…出る間際に、すぐ帰って来るっていったんです。なのに…。もしかしたらもう…。」



手がかりは、はっきり言って無いに等しい。


もう少し、詳しく聞き出しておけばよかったときり丸はしゅんとする。


と、そこで、ボンッと煙が出たかと思うと、学園長先生がけほけほと咳をしながら現れた。


「きり丸、今すぐ山田先生と一緒に、土井先生を探しなさい。学園長命令じゃ。」


と言う。あと、そこに隠れているは組の生徒たちもじゃ。と言うと、きり丸はどかっと転んだ。


「いたのかっ!」



………………


きり丸は山田先生と一緒に家へ。は組の生徒たちは町中で聞き込みに回った。


しゅんとしているきり丸の肩に山田先生がポンと手を置く。


「土井先生は必ず戻って来る。あの土井半助がお前やは組の連中の元に戻って来ないわけないだろ。」


「山田先生…。」


とそこで、しんベエのわあ〜、お団子屋さん。おいしそう〜という声が聞こえたので、しんベエ!!という風に怒鳴って山田先生はそっちに行ってしまった。


ぽつんとたたずむきり丸。


疲れたからか、無償に甘いものが口に含みたくなって、あめ玉をパクと食べる。


すると、不思議と今まで出していなかった涙が今、どっと溢れてきた。


「…土井先生…俺…また一人になっちゃうんすか…。せっかく…これからも…土井先生と暮らせるって…思ってたのに…。」


ズズッと鼻をすする。


涙はまだ止まらない。


それどころか、抑えられずにボロボロこぼれるばかり。



「あれ…このあめ玉…いつもはすごく甘く感じるのに…今日はしょっぺぇや。もっと食えば甘いかな」


きり丸は次々とあめ玉を口に含んだ。


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