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□朝日を見た帰り道
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朝日を見た帰り道
天沢と雫は、二人で朝日を見た帰り道、歩きながら帰っていった。
「そういえば、雫、物語を書いたんだって?よければ俺にも見せてくれないか?」
天沢は隣にいる雫に話しかける。
「まだ、てんでダメだけど、でも、聖司くんにも見て貰いたい。だって、聖司くんにはいつも支えになってもらってるもん。」
「そっか…。」
二人は顔が赤くなる。
不意に天沢は雫の手を握り、
「寒いだろ、…だからな。」
と、少し上擦った声でしゃべる。雫は赤い顔のままでこくん、と頷いた。
しばらくの沈黙。
雫が言葉を発する。
「あのね…。私、その物語の題材をバロンにしたんだけど、書いた後に、聖司くんのおじあさんの話を聞いて、思ったんだ。こうして今、聖司くんと話すようになれたきっかけは、バロンと聖司くんのおじいさんで。何だか、二人が応援してくれてるんじゃないかって思って。そしたらね、何だかバロンが微笑んだ気がしたの。」
必死に話す。
「ふーん…。そうだといいな、俺たちの運命を、これからも見守ってほしい。」
天沢は雫に微笑みながら話す。
「うん。」
きっと祝福してくれるだろう。
また、見守ってくれるだろう。
バロンの恋人は結局、まだ見つかってないけども、
でも、私たちに運命を感じさせてくれた。
また、明日には聖司も私もお互いに自分の将来の可能性のために突き進んでいく毎日が始まるだろうけども
大丈夫。
だって、自分に目指すものがある限りは、心はすたれないから。
ほら、耳をすませば聞こえる。
”カントリーロード”
この曲を思い出して、また頑張っていくんだ。
end.
2013.11.4.
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