世界革命(World Revolution)
□33.白い彩り
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手を差し伸べられた。
それを受け取るなんてせずに、僕はすずめを抱いて立ちあがる。
「大丈夫?すず」
「……う、うん…」
大丈夫そうでよかった。
あ、そうそう。目の前にいる女の子は僕を見つめる。
「…なに」
「………君が、すずちゃん攫ったの?」
攫ったなんて人聞きがわるい。
僕はすずめと一緒にいたいだけだ。
「そういう言い方はやめてくれよ、僕はすずめを助けたんだから」
「何を言ってるんです、あなた何者です。に、ございます」
「……それより」
向こうで倒れてるあいつらと、あの人がいる。
彼はこっちに気付いて、近づく。
「やあ…化物。なんでいる」
「化物。僕は此処からでるんだよ」
お前みたいな化物の研究に、この子を付き合せないため。
この子とまた、一緒にいるため。
僕はこの子と出るよ。
「そんな事…させるかっ!」
攻撃をするあの人を避け、僕はすずめを安全な所におく。
「ここは大丈夫。いい子で待ってて」
「い、無花果さ…ん…?」
白い化物になる。
大きく成長し、醜くなる。
これが僕の本当の姿だ。