短編

□少し昔のお話
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此れは平成の時代ではない話し。


其処には、ある事務所が聳え立っていた。





この事務所、探偵事務所である。

ありとあらゆる難事件を解いてみせよう。





「なかなか客がこない…」





この探偵事務所の社長、柿木川蝉は悩んでいた。

客が全くこない事を。



どうしてうちに客がこないのだろう…

そういえば前の依頼で夫の浮気調査で失敗したっけ…

あ、そういや今日何食べよう…




なんてどうでもいい事や良くない事を考えていると






「先生!そろそろ原稿の方お願いしますよ!」

「…あ。あとりくん、もう少し待っ「待ちません」






川蝉は小説家でもある。

そして、川蝉の前にやってきたのはおさげの女の子、河内あとりである。

彼女は女学校を卒業し、川蝉の小説の担当へと回っているのだ。

あとりの迫力に怖気づく川蝉はしぶしぶ万年筆と原稿用紙を手にする。


その時。





「じ、事件だ!!」





事件の依頼がきた。


依頼者は神代あずち。事件というのは、人形屋敷と名高い屋敷での事件だ。







 
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