世界革命(World Revolution)
□2.穴の噂と雨女
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――あれは間違いない。つーちゃんだ。
賽銭箱の前で両手を合わせているつーちゃんに後ろから声をかけた。
「つーちゃん?」
「・・・あっ。京ちゃん」
一瞬驚き、それから微笑むつーちゃんはなんだか元気がなかった。
「此処で何してたの?」
と、首を傾げて聞く私につーちゃんは傘を私の頭上に掲げ、苦笑いしていった
「わたしのこの雨女の体質が良くなりますように、って」
そう言うつーちゃんは、半分本当で、半分嘘をついていると私は思えた。
持ってる傘が震え、顔がさらに元気をなくしていた。
「・・・お母さんの事、お願いしてた?」
「・・・!」
図星をつかれたような顔をし、涙を堪えるつーちゃんに私は頭を撫でた。
それから、話しをした。
つーちゃんは泣いて、顔がぐしょぐしょになり、空は雨が降った。
大雨だった。
この天気は、一ヶ月前のつーちゃん家の葬式以来だった。
「・・・あ、きょ、京ちゃん。もうすぐ日が暮れるよ!かえろ?」
気付けば辺りがオレンジ色に染まり。
つーちゃんは泣き止んでいた。
「・・・うん」
それから、家に帰ると紅葉君が出迎えてくれた。
「あれ?なんだか元気ないよ京ちゃん。・・・それに濡れてる、ああ、今日突然雨降ったもんね!」
と、紅葉君は足早にタオルととりに洗面所へと向かった。
つーちゃんを元気にする方法はないのかな、と。考えた。