ケロロ3

□愛情たっぷり
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「クルル、ご飯食べてくでしょ?カレー作ってあげるよ。」

「ククッ、そりゃ不味いのができそうだぜェ。」


いつもの嫌味にも“好きなくせに”と笑顔で応える。
野菜を取り出してキッチンに向かう後ろ姿が、どこか嬉しそうに見えた。



「手伝うかァ?」

「いいよ。クルルはお客さんなんだし、ゆっくりしてて?」



お客さんなんて薄っぺらい関係でもないだろうと言ってやろうと思ったけれど、きちんとエプロンをしてせっせと野菜の皮を向く後ろ姿に、なんとなく心を奪われて。


(嫁さんみてェだ…)


なんて言ったら、“何言ってるんだよ”と笑われてしまいそうだから言わないが。



「わ、」

「お、今日はそれ使うのか。」



急に身体がズシリと重くなって、振り向いてみればクルルの顔があった。
腕はお腹辺りにまわされている。


ちなみに“それ”とは、置いておいた市販のカレールーのことらしい。


「そ。この間安かったから買っておいたんだ。クルルも嫌いじゃないでしょ?」

「俺様のカレーには敵わねぇけどなァ。」

「クルルこだわってるもんね。そうそう、中辛にしといたんだけど、大丈夫だった?」

「…なんでもいい。」


言って、クルルはサブローの首もとに顔を埋める。
くすぐったかったのか、サブローの身体がピクンと動いたが何も言われず、どうやらお咎め無しらしい。


クルルは本当は辛口の方が好きで、もちろん市販品より手間隙かけて作られた手作りのルーの方が好きなのだが、
どういう訳か、市販のルーを使って作るサブローのカレーは好きだった。


同じルーで夏美や秋が作ってもなんとなく違う気がして、やはりサブローが作った、というのがポイントなのだと思う。


サブローにはこの事を言ったことが無いため、どうやら“クルルはカレーならなんでも好き”なんていう大雑把な認識を持たれているようだが。



「辛さくらいはみんな好みがあるもんだと思うけど、本当に何でもいいの?」

「……。」

「クルル?」


「…お前が作るもんなら、なんでもいい。」


顔を少しあげて、綺麗な蒼色の瞳に自分の紅をぶつけて言うと、
整った顔が一瞬だけ間抜けな表情になって。


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