FEEL

□あいつと俺
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俺の弟の友達のあいつ


いつも俺はあいつの強い視線を感じていた


「こんにちわ」


こいつはいつも俺に笑顔で笑いかけてくる・・・・口だけだが
目がまったく笑っちゃいない
笑い返すと相手も笑うのだが、やはり目だけが・・・なんだ、どう説明すればいいんだ?
ぱっと見たら可愛い顔に目が潤んでいるように見えるのだが、よーく見てみるとギラついている。まるで、腹を空かせている猛獣の前に美味しそうな肉を置いたときのようだ


えさに狙いを定めたときのように、一ミリたりとも動かないし動じない
弟の春樹(はるき)はこいつの背中しか見えていないから分からないのだろうが、こいつの雰囲気は普通じゃねえよ、オイ


なんて奴と友達になってんだ


昔、空手を習っていた俺でもこいつの目つきには尻込みしちまいそうになる


・・・空手は関係ないか



「ゆっくりしていけ」


俺は毎度口にする言葉をオウムのような気分で繰り返しつつ、自分の部屋に戻った






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