FEEL

□あいつと俺
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どんどんっ!


「兄ちゃん!起きてよ!」



んあっ?



どうやら俺はいつのまにか寝ていたらしく、窓の外はすっかり暗くなってしまっていた
「兄ちゃんってば!」
「うぁ〜い・・・」
寝起きでぼさぼさの頭を撫で付けながら、ベッドからのろのろと起き上がり扉を開けた



がちゃっ



「幸仁(ゆきひと)さん、起きましたか?」
「・・・・・・」




ばたん




俺・・・・まだ寝ぼけてんだな、きっとそうだ
だって今、扉の外にあいつの幻覚が見えたような・・・・
気のせいか・・・・


俺は自分の顔をぱんっ!と叩き、再度トライをこころみた

だけど万が一のことも、もしかしたらあるかもしれないので、慎重にゆっくりと扉を開け・・・・



バンッ!



られなかった・・・・



「どうして僕だとわかったら閉めたんですか?」
「あ、いや弟だと思ってたから・・・」



なんでわざと弟の声真似までして起こしにくるんだよこいつ!
こいつとわかっていたら確実に開けなかったのに、クソっ


仕方無しに扉を開けて廊下にでる

「そうですか、よかったです。閉められたときは思わず避けられてるのかと思いました」



ドキッ!



当たりっ!実はそうなんだ〜、てへっ


なんていえねー



「ところで・・・なんか俺に用事か?」
「はい、夕食の用意ができましたので僕が変わりに呼びにきたんです」


昔からの顔なじみで家族同然という感じではあるが、まがいなりにも客人に呼ばせるか普通・・・


「なんでまたお前・・・っじゃなくて、誠也(せいや)君に?」
「皆さん食事の支度をしていて手が空いていなかったので僕が変わりに」


いつもは階段下から怒鳴りながら叫ぶ母親でも、一応客人(こいつ)がいるそばではそんなこともできねー・・・・か


俺の腕を引きながら階段を下りる誠也は、相変わらず俺の顔を見ながらにこにこ笑っている(但し、口限定)



その笑顔マジでやめてほしいんですけど、怖いから







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