FEEL
□意地悪な主上
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宙ぶらりん生活はもう御免である
凝り固まった筋肉をほぐしていると、まださっきの鴉が隣にいる
『なあなあ〜』
まだ話しかけてくる鴉にいい加減に殺意を覚える
『な・・・』
鋭く磨かれた爪を鴉の喉元に突き刺し、木に串刺しにする
こんなもんじゃ地獄の鴉は死なない。頭を潰すか完全に消滅させるかどっちかしかない
さあ・・・どっちにするかな
『ひ、ひぃっ・・・!!ま、まさかあんたは・・・ティラン・ダイトっ!?お、お許しくださいぃぃ!!・・・ぐあっ!!』
「・・・誰が許すか・・・・」
ぐっと首を切断するために力を込める
『ま、待ってください!!』
「・・・なんだ・・」
まだ言うのか
『お、俺を側近にしてください!』
「・・・・・はぁ?」
まさしく、はぁ?である。何を言いだすかと思えば、この鳥は・・・・
だれが鳥を側近にするんだ、なめてるのか?
「祈りでも唱えとけ・・・」
『ひぃっ!じょ、冗談じゃないです!本気です!!』
「余計に性質が悪いわ」
『お願いです〜!!』
「・・・・・」
あまりのアホさに殺すきが失せた
もしかしたら死にたくないがための嘘だったかもしれないが、もうどうでもいい
鴉の首から爪を引っ込めて馬型の姿に体を変える
上級の魔物や魔獣なら、大抵どのような姿にも体を変えられる
屋敷に帰ろうとすると
『待ってくださいよ〜!』
もう回復したのか・・・・
空中で翼をひるがえし、ティランの背中に止まる
「・・・死にたいのか」
『違いますよ〜!連れて行ってくださいって言ったじゃないですか〜!!』
あれは本気だったのか!?
「・・・・・勝手にしろ」
『え!?本当ですか!?よっしゃー!!』
・・・やめとけばよかった
帰り道を駆けながら深いため息と深い後悔をするティランだった