短篇

□救世主=救精主?
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「御柳(みやなぎ)、お前ちと国のために体はってこい」

「・・・・は?」

頭に言われたのはその一言だけ

「ちょっ、待ってください!国っていったいどういうことですねん!?組長ー!?」


俺は問答無用に座敷の部屋から連れ去られ、黒いベンツの後ろに座らされている。

「おい、竹密!これはどういうことなんや!?」

御柳は男らしい顔を険しくさせて、竹密に問いただす。

「それが俺にもわからないんすよ。組長に言われたところに頭を置いて来いとしか言われてへんし・・・」

運転している補佐に聞いても、分かりませんと首を振られるばかり。


連れ出された屋敷から1時間経ったくらいに、とあるマンションに降ろされて最上階の部屋の中に連れ込まれた。

「頭、チャカ持ってませんよね?」

「ああ、今日は持っとらん」

「これから来る人をもてなすのが頭の仕事らしいんす。あと少しで来ますから、私はこれで失礼します。」

「は?ちょっと待て、こんなトコで何をもてなせっちゅうんや?」

「なんか、頭が居ればそれでいいらしいんです。それじゃあ俺はこれで・・・」

この後起こることを知っていれば、俺はチャカを何が何でも持ってきていたであろう。



竹密が帰った後、落ち着かないので1人でテレビを見ていると、がちゃっと玄関のノブが回る音がした。


やっと来たんか


テレビを消して、立ち上がる。

この世界にいる御柳は、一応警戒しながらリビングのドアを開けて玄関にいる人物を見る。

が、誰もいなかった。


「あれ?今確かにノブ回す音が聞こえたと思ったんやが・・・?」

玄関のほうに足を忍ばせて近づく

「おっかしいな、・・・・!・・そこや!!」

廊下沿いの隣の部屋の扉を乱暴に開き、回し蹴りを食らわした。
しかし、パシッと小気味よい音がして御柳の蹴りが受け止められる。


こいつできる!!


そのまま足首を持たれて引き寄せられる。


やばい、あかん!


こういうときは鳩尾を殴られるのが常だ、ぐっと腹に力を込めて目を瞑り、相手の攻撃に備えた。


ふにゅ


「・・・・・ん?」


ふにゅ?

なんやその気の抜けた音は


おそるおそる目を開いて御柳は驚愕した。


お、男と接吻しとるーー!?


御柳の口を塞いでいるのは、黒い瞳にこれまた黒い髪の年齢的には御柳より少し下くらい、しかし、背は180cmの御柳の身長を軽く越す。

おまけがホスト顔負けの容姿!


御柳があまりのショックに意識を飛ばしかけていると、唇を重ねている張本人は、さらに舌を使って口内に潜んでいた舌を絡めとるように深く口付ける。

「ん!はっ・・ぁ・・・よ・・よせっ・・・・んっ!」

見知らぬ男はそれでもまだ口を離そうとしない。
いつのまにか抱き寄せられて、手を使って腰から下へと執拗に撫でている。

「っ・・・も・・やめ・・・んんっ・・あ・・」








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