物語

□Episode.4
1ページ/5ページ

 「3時、だよ!3時、だよ〜〜〜ん!」

奇声を発したのは、コムイお手製の
アラームコムリンである。
珍しく暴走に至らないので、夕月の休憩を知らせる為に
ラボに乱雑に置かれていて、15時にだけ騒ぎ出すのだ。

まるで日頃の恨みをぶつけるかのように
コムリンの頭をバシリとはたくと
ショボン、と言いた気に大人しくなる。

「あ〜…もうそんな時間か〜…」

くっきりと隈を作ったリーバーが
ボリボリと頭を掻きながら顔を上げた。
どうやら昨晩も徹夜のようだ。

「お〜い夕月!その書類後でいいから、ちょっと休んでこい」

積み上がった書類の山にリーバーが声をかけると
白い書類の中に、ひょこりと桜色のリボンが現われる。

「あ…ふぁ〜…い…」

書類と格闘していた為か、目をしょぼしょぼとさせながら
彼女はフラフラと書類の山から姿を現した。

「…せっかく整理した書類崩すなよ〜…?」

そう言われ、今までの努力を水の泡に帰すわけにはいかないと
夕月の瞳がパチリと冴える。

「は、はい!」

シャキっと背筋を伸ばした彼女の頭をポンと一撫ででし
『行って来い』と、リーバーは彼女を送り出す。
もちろん、アレンに休憩の事を伝えてあるのは内緒にしたままに…。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ