物語
□Episode.4
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「3時、だよ!3時、だよ〜〜〜ん!」
奇声を発したのは、コムイお手製の
アラームコムリンである。
珍しく暴走に至らないので、夕月の休憩を知らせる為に
ラボに乱雑に置かれていて、15時にだけ騒ぎ出すのだ。
まるで日頃の恨みをぶつけるかのように
コムリンの頭をバシリとはたくと
ショボン、と言いた気に大人しくなる。
「あ〜…もうそんな時間か〜…」
くっきりと隈を作ったリーバーが
ボリボリと頭を掻きながら顔を上げた。
どうやら昨晩も徹夜のようだ。
「お〜い夕月!その書類後でいいから、ちょっと休んでこい」
積み上がった書類の山にリーバーが声をかけると
白い書類の中に、ひょこりと桜色のリボンが現われる。
「あ…ふぁ〜…い…」
書類と格闘していた為か、目をしょぼしょぼとさせながら
彼女はフラフラと書類の山から姿を現した。
「…せっかく整理した書類崩すなよ〜…?」
そう言われ、今までの努力を水の泡に帰すわけにはいかないと
夕月の瞳がパチリと冴える。
「は、はい!」
シャキっと背筋を伸ばした彼女の頭をポンと一撫ででし
『行って来い』と、リーバーは彼女を送り出す。
もちろん、アレンに休憩の事を伝えてあるのは内緒にしたままに…。