物語

□Episode.7
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涙目になって肩を竦める夕月に
ジェリーは必死にかける言葉を探していた。

「ま、まぁ…慣れない内はみんなそんなもんよ!…多分」

教えられた通りにしたはずなのに
大きくこねすぎた団子は生茹で状態
みたらしの餡には固まりがいくつもでき
濁った黒をしている。

その後作り直してみるも
どうしても上手く作ることができなかった

いくつにもなってしまった失敗作を
大き目のお皿にまとめれば
大きなため息が一つ。

「薬品扱うようにはいかないわよ、ほら、元気出して!」

ジェリーにポンと肩を叩かれ
夕月は顔を上げながら苦笑を浮かべた。


 自室に向かうまでの暗い廊下。
材料を無駄にしては申し訳ないからと
皿に乗せたまま持ってきた、沢山の失敗作を手に
夕月は俯いたまま立ち止まる。

重たいため息を吐けば、夢見ていた明るい未来が
それと一緒に逃げてしまうかのような錯覚を起した。

廊下に定期的に並ぶ太い柱に、寄りかかるようにして
背を預けたままズルズルとしゃがみ込む。

(…私、ホント何してもダメだ…)
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