物語

□Episode.2
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「みんなお疲れ様!コーヒー淹れたよ」

不休の科学班、これが唯一の休息の時である。

「リナリー!」

彼女の声を聞くや否や、リーバー班長が
助かった!と言わんばかりの声を上げた。

「ど、どうしたの?班長…」

見れば、リーバーだけでなく
他のメンバーの表情も
どこかリナリーに救いを請うような様子である。

リナリーの問いかけに、リーバーを始め
科学班の面々は一斉に視線や、親指の先を
一定方向に向けた。
そしてその先には、この世の終わりかと思う程
暗く重たい空気を背負ってデスクに突っ伏している夕月の姿。

「夕月!?どうしたの!?」

彼女は答えない。
代わりにコソっとジョニーが耳打ちする。

「…実は、アレンに激突した挙句、その場片付けないまま
 急に逃げてきちゃったみたいなんだ…」

「あぁ…」

夕月が異動当初からアレンに想いを寄せていることは
リナリーも、科学班の面々も、よく知っていた。
もちろん、彼女の思い込みや性格上の問題の為
まるで接点が持てずにいたことすらも。

「まぁ…初めて言葉交わす機会がそんなんじゃ…凹むだろうが…」

リーバーは頭を掻きながら、心底参ったという表情を浮かべた。
それもそうだろう、只でさえ年頃の少女をどう扱ってよいのか
日々頭を悩ます上司、ましてや色恋沙汰のフォローなど…。

「こ、こういうのはやっぱ女同士の方が…な?」
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