君と救いのリナシメント

□一話目
1ページ/2ページ

「実験・・開始します」
伝統や格式を取り払いただ、ただ真っ直ぐに進化だけを取り入れた部屋で、あるプロジェクトが始まろうとしていた。
「了解・・・ミスは許されないからね、他の誰が許したとしても。この私が」
すぐ傍にいた研究員が薄く笑う。
「そうですね。だってこれは」
これは貴方のーーー








国立斎城高校
日本国が全力を上げて魔術能力師育成をしている、全国でも8校しかない魔能教育機関である。
そんな斎城高校では入学式が執り行われていた。
「新入生挨拶、遊佐杏樹」
「はい」
静寂につつまれていた体育館に少女の声が響く。
退屈していた生徒達はまずその声に惹かれ・・・そして顔を見て視線を外すことが出来なくなった。
それほどに、遊佐杏樹という少女は美しかった。
癖のない真っ直ぐな黒髪に白い肌口は紅をさしたように赤く、瞳の色は青みを帯びあどけなさを含んでいる
彼女は異性からは勿論、同姓から見ても魅力的であった。
明日から彼女の周りは忙しくなるだろう。
そんな中で、彼女に全てを向けてない人間が1人。
遊佐律樹ーーー
今、この体育館の人間全ての視線を集めている遊佐杏樹の弟だ。
彼の意識は姉よりも周囲の雰囲気に気をはっている。
しかしこれは無関心からではなく、寧ろ守る為であった。
こうしてつつがなく斎城高校の入学式は行われていく
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ