短編☆
□遠くて近い君。
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「きゃぁぁぁぁ!!」
「しんどーくんっ!!」
「かっこいいぃぃぃ!!」
はぁ。
またか。
毎日毎日暇なやつらだな。
『だいたい拓人も拓人だよ。なんで・・・ブツブツ・・。』
なんてブツブツ言っていると。
「仁美、パス!!!」
浜野からパスがきた。
『えぇ?・・ちょっ!・・』
あっちゃ〜
パス見てなかったわ〜
「なにやってんだ!!仁美!!お前はDFの要だぞ!集中しろよ!!」
キャプテンである拓人に怒られた。
…拓人が悪いのに。
そっから私のテンションは下がりっぱなしでミスが多かった。
練習が終わっても気分は最悪のまま。
「なぁ〜。今日のお前どうしたん?」
「調子でも悪いんですか?」
「仁美にしてはめずらしいじゃん。」
と浜野、速水、倉間に帰り際話しかけられた。
『…あぁ。聞いてくれる?
…………ってわけ。
拓人も拓人だと思わない?ファンの子に手ぇなんか振っちゃってるし。そっちも集中しろよって感じ。怒る時もあんなにきつく怒らなくても…。』
「「「なんだ。結局神童のことかよ/ですか/じゃん!」」」
3人につっこまれた。
『う…ん。』
だって…そうなんだもん。
「ちゅーか、ただの嫉妬じゃね?」
「僕もそう思います。」
「嫉妬以外ないだろ。」
なんかこの3人息ピッタリなんだけどっ!
で…でも!
『仮にも私達つきあってるんだよ?あんなに厳しく怒らなくてもさぁ…。はぁ。なんか拓人が遠いよ…』
あまりの私の落ち込みように3人ともやれやれ、とため息をついた。
「まぁ。ここは若いお二人さんに直接話して貰いましょう!!」
え?
なぜか3人はニヤニヤしてる。
「じゃーな。」
あまりに突然のことにとまどっていると。
「仁美。」
後ろから声が聞こえた。