短編☆
□そばにいてね
1ページ/2ページ
朝、起きたら頭がやばいくらい痛かった。
『うわぁ〜。ごほっ!やっぱり熱でてた…。瞳子ねぇさん…助けて〜』
苦しいよぉ…とつぶやくとねぇさんはもう私の部屋にいて
「どうしたのっ?仁美っ?…!!!顔が真っ赤よ?髪の毛と同じくらい赤くなってるわ!」
とても焦っていた。
『えっ…と…ごほごほ!
ちょっと熱が…で…て…。それ…「も〜!わかった!もういいから休みなさい。今日は幸いにも土曜日。学校も休みでしょ。」
と笑顔で言ってくれた。
どうせなら学校の日がよかったよ〜。
だって休みの日はお日さま園のみんなとサッカーだけ集中できる唯一の日なのに!
あぁ、今すぐにサッカーしたい!
そんな事は言えるわけがなく、ねぇさんに一言ありがと、と言うとはやく休みなさいと言われた。
しかしいまは
眠くないし苦しい。
『ごほっ!…っごほ!……み…ず…だれ…かぁ』
苦しさがピークになった時
バタン!
「仁美!!大丈夫かっ!?」
っと勢いよく緑色のポニーテールの男の子が入ってきた。
『リュ…ウジ…?』
入ってきたのは私の彼氏の緑川リュウジ。
「ねぇさんから仁美が熱を出したって聞いて、心配で、きちゃった。大丈夫?きつくない?なんでも俺に言ってよ?仁美の苦しそうな顔は見たくないよ…」
優しいリュウジ。
私はリュウジがきてくれた事だけで嬉しいよ。
でも、私はお言葉に甘える事にした。
『リュウ…ジ、水がほし…い、ごほっ!』
「わかった、水ねっ!おっけ!」
そう言うとリュウジはピューっとどこかへ行ってしまった。
…。
なんでだろ。
リュウジがいなくなって胸が苦しい。
風邪とかじゃなくて…
ポロポロと涙が出てくる。
「仁美!水もってきた!って、泣いてるの?わぁ!」
私は思わずリュウジに抱きついてしまった。
『リュウ…ジ、水とかいらないから…、そばに…いて?』
涙目で訴えるとリュウジは強く抱きしめ、水を私に口移しした。
『…////っ!そんなに強く抱きしめると熱がうつるよ?』
するとリュウジは爽やかに笑うと
「仁美の熱だったらうつっても別にいいよ。」
っと言うともう一度キスしてきた。
私を不安にさせないで。
(はぁ。仁美が治ったのになんでリュウジが熱だしてんの!まったくあんたたち…)
(今度は私がそばにいるからね。)
(う…ん。仁美…水…。)
(はいはい。笑
はやく治してね?)
(人の話を聞きなさーい!)