短編☆
□文武恋両道‼
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ホーリーロードから一年半。
俺たちは3年生になった。
サッカーからも一時期引退。
そして、3年生といえば…
受験だ。
一応、希望高校A判定をもらえた。
だけど、とりあえず油断は出来ないので勉強はする。
いつも通りに授業をうけ、お昼時間。
お昼時間といえば…
「神童ー!来てるぞ!」
霧野が呼んでいる。
ほら、来た。
『きっ…霧野先輩っ!
そんな大きい声で…ぁぁ…、』
「ははっ!ごめんごめん。でも…な?」
『は、はいぃ。』
おかげで神童来ただろ?
と言うと霧野はニヤリと笑いながらどこかへいってしまった。
「仁美、行くぞ?」
俺が呼ぶと仁美は
はい、ととびきり可愛い笑顔を見せてくれた。
やっぱ、可愛い。
俺と仁美は正真正銘のカップルだ。
入学式の時に堂々と新入生挨拶をやっている仁美の姿は
とても凛としていてその日の朝、剣城にサッカー部をめっちゃくちゃにされ、落ち込んでいた俺の気持ちを少し晴らしてくれた。
しかも偶然な事にサッカー部のマネジャー兼プレイヤーだった。
ところが。
入学式の時は堂々としていた仁美だったが
本当は超がつくほどの天然とおっちょこちょいだった。
そんな所もふくめ、俺は仁美の事が好きになった。
告白すると仁美は本当に嬉しそうに笑顔で
『私もっ、キャプテンの事っ、好きで…す!』
と言ってくれた。
あの時は本当に嬉しかった。
そしていま、毎日お昼を屋上で過ごしてる。
『拓人先輩、今日は一緒に帰れますか…?』
最近はお決まりの質問。
そして俺の答えもお決まり。
「ごめん…。今日も霧野と勉強するから…」
『そう…です…よね!!いまはしっかり勉強しなくちゃいけない時期ですもんね!すみません…』
しゅん、と音がたつくらい落ち込む仁美。
しかし俺はあえてスルーして話しを変える。
正直、いまは仁美にかまってるヒマはない。
しかし、
2人の時間を作らないと仁美が離れて行きそうで怖い。
俺はズルい男だ。