短編☆
□あの人と王子。
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私の中学校には王子と呼ばれてる人物がいる。
吹雪 士郎
顔良し、性格良し、運動神経抜群、学年主席…
と良いところをだしたらキリがない。
しかーし!!
そんなのは私に関係ないっ!
だって私には好きな人がいるから。
あの人に惚れたのは
親の転勤で北海道に行った日。
雪のなかで苦しんでる犬を助けてようとして熊に襲われそうになった。
怖くてなにも震えてた私にその人は熊に攻撃されたけれど、サッカーボールを熊に当て私と犬を守ってくれた。
泣きながらありがとう、と言うとその人はニコっと笑ってどこかへ行ってしまった。
顔もなにもわからない。
見えたのは熊に攻撃されたときの腕の傷。
私の初恋。
『ねぇ、スノー。あの人かっこよかったよね〜。はぁ、会いたいなぁ。』
あの日助けた犬は今、私が飼っている。
雪の日に出会ったからスノーにした。
そしていま、雪のなかを散歩中…
近くにある公園のベンチに座る。
『会いたいな…。』
「誰に会いたいの?」
ふと声をかけられた。
それは学校の王子、吹雪士郎だった。