短編☆

□チビっ子の特権
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【お前、小さいよな。】
【それで中学生?ありえねーわ。】
【ちび仁美!!】



小さい頃から言われてた。
親の遺伝なのか、もとからそういう体質?なのかわからないけれど
私は身長が小さい。
全国や校内の平均身長には程遠い。


私のコンプレックス。


だけど私はこのコンプレックスに負けないように大好きなサッカーの練習を頑張った。

女だから、チビだから、なんて誰にも言われないように。


でも…
どんなに努力しても無理な事は無理。
いい例として…恋愛。

私の好きな南沢先輩は
とってもかっこよくて、頭もよくて、サッカーも出来る完璧な人。
身長も高いから女の子達がほっとかない。

私みたいなチビには不釣合いである。


*****


「あぶっねぇ〜。遅刻するところだったよ〜」

『南沢先輩、ギリギリじゃないですか。
また…女の子に呼び出されたんですか?』

「…まぁな。」

えっ…。
胸にグサリとくる。


私は誰に呼び出されたかとても気になってしまった。




ダメ、聞いてショックを受けるのは自分だよ。
ここで踏みとどまるの。
ここで聞いてしまったら大きな傷を負おう事になる。


そんなことは…わかってる。
わかってるけど…!

それでも私は聞かずにはいられなかった。


『んで〜?今日は誰に呼び出されたんですか〜?』

すると南沢先輩は困った顔をしながらはっきりとこう言った。

「はぁ?ほら…あいつだよ。あの…理恵だよ。
…お前も知ってるだろ?俺の幼馴染。」


え…?
理恵先輩…?


理恵先輩は南沢先輩の女の子バージョンのように完璧な女の人だ。
スタイルも抜群で…。


南沢先輩の幼馴染だからよく一緒にいるところを見るし、とっても仲がいい。

誰がどう見ても美男美女のお似合いな2人である。


『そう…なんですね!
よかったじゃないですか!
…お似合いですよ!おめでとうございます。』


あぁ、いま私は上手く笑えてるのだろうか。



「おい、それってどういう…『あぁー!三国先輩が呼んでるぅー!
…って事で先輩!…また…で。』



私は走ってその場を去った。
涙を流しながら…
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