短編☆
□好きで嫌いで嫌いで好き!
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「…だから〜、ごめんって言ってるだろ?」
『篤志なんて…!もう知らないんだから!』
「ちょっ…!待てよ仁美!」
また見てしまった。
篤志が他の女の子とデートしてる所を。
私が正式な彼女なんだよ?
しかも篤志から告白してきたのに。
サッカー部員とマネージャーという関係から始まって付き合って3ヶ月。
最初のうちはとっても楽しかった。
でもそのうち篤志は私以外の他の女の子とデートすることが多くなってて。
篤志はいつも口だけ。
誤ってもすぐにまた繰り返す。
…これで何回目だろう。
『篤志のばかぁ〜!!!』
もう別れてやる!こんなの耐えられない!
「…仁美先輩?」
『あれ…神童くん?』
私の目の前にいたのはサッカー部キャプテンの神童拓人くんだった。
「…また南沢先輩と喧嘩したんですか?」
『あは…は。そうだよ。でも大丈夫。もう喧嘩することはないから。』
「…?それは別れるって事ですか?」
『うん…!もうね、私限界なの。篤志だって私といるより女の子とデートしてるほうがいいに決まってるし。それでね…』
神童くんには申し訳ないけどたくさん愚痴った。
神童くんは嫌な顔一つせずに話しを聞いてくれて。
『あぁ〜!スッキリした!…ありがと、神童くん。こんな嫌な話し聞かせちゃって…』
神童くんはいいえ、とにっこり微笑んだ。
「先輩と一緒にいれて嬉しかったです。南沢先輩とのお話も聞けましたし。
おかげで決心がつきましたし。
その…先輩。もし良かったら…」
俺と付き合いませんか?
は?
まっすぐな目で私の事を見てくる神童くん。
「ずっと前から先輩の事が好きでした。だけど南沢先輩に先を越されて…。まだ先輩は南沢先輩の事好きだと思いますが…
でも、俺なら仁美先輩を泣かせたりしませんし、仁美先輩だけを見てます。だから俺と付き合って下さい。」
『神童くん…。』
「俺は仁美先輩の事、絶対幸せにします。」
真剣な顔で私をみつめる神童くんの目は信じていいと思った。
でもやっぱりいまは…
『神童くん。もうすk「おい、神童。人の彼女、なに勝ってに口説いてんの?後輩だからって…あんま調子乗んじゃねぇよ。」
私の声を遮る低い声。
『篤志!なんでここに…?』
その声は篤志の声だった。