短編☆
□好きで嫌いで嫌いで好き!
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「南沢先輩っ!俺は本気で仁美先輩の事が好きなんです!
南沢先輩は仁美先輩の事泣かせてばっかりで…!最低ですよ。そんな人に彼氏を名乗る権利はありません。」
神童くん…
そんなに私の事を…
私もけじめつけなきゃ。
『…篤志!あのね、私達別れ…っ!』
肝心な所で篤志に口を塞がれた。
そして抱きしめられる。
『っ〜!なにするの!』
「…その話しは2人のときに話そう。
神童、帰ってくれないか。」
「…わかりました。…南沢先輩、俺、絶対引きませんから。たとえ、叶わないとわかってても。」
すると神童くんはあっさりと帰ってしまった。
私はすぐに篤志の腕から離れた。
そして長い長い沈黙。
「…お前さ。もしかして俺が来なかったら神童の事OKしてた?」
沈黙も破ったのは篤志の低い声。
『…そうかもね!神童くんは浮気なんてしないって言ってくれたし。篤志とは大違いだよ!』
「そうか…。やっぱり気づいてなかったんだな。」
『なにが!』
「お前、俺に一回も好きって言ってないだろ。三ヶ月も付き合ったのに…!俺だってお前を振り向かせようと必死だったんだ!まぁ…その結果こうして振られてしまったけどな。」
嘘…
そういえば私、篤志に好きって言った事一回も無い…
『篤志は…私を振り向かせようとして…?でも私は…』
「お前は俺に好きって言ってくれなかった。嫉妬してるのか、浮気されたから怒ってるのかも全くわからなかったしな。」
篤志…!篤志!!篤志!!!
『ごめんなさい…!篤志はずっと私の事…?』
「お前の事が好きだ。俺だって不安だったんだぞ…」
泣きそうな顔で訴えてくる。
私は篤志の胸に飛び込んだ。
『篤志…!私も篤志の事好きだよ!言うの遅くなってごめんね…。こんな私だけど…嫌いにならないで!篤志に嫌われたら私死んじゃう!』
なぜか声が震えてる。
私ってこんなに篤志の事好きだったんだ…。
「…ばーか。こんくらいで嫌いになれるかよ。…愛してる、仁美。」
そういうと篤志は私の唇に自分の唇を重ねてきた。
素直になる事が1番大事
(篤志のバカ!最初から言ってくれたら良かったのに…!)
(彼女にそんなかっこ悪りぃ事言えるかよ!)
(これからは…浮気しないでね?)
(もちろん。仁美一筋に決まってるだろ。)