短編☆

□離れられない2人
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「おい、仁美。部活行くぞ。」

『うん。白竜…弁当とって。』

ゴッドエデンから抜け出して一ヶ月。

俺とチームメイトの仁美は引き取る親がいない為雷門中の寮に一緒に暮らしてる。


俺は剣城とも打ち解ける事ができ、雷門中の皆さんとも楽しくサッカーする事が出来ていてゴッドエデンをでて本当に良かったと思う。

しかし仁美はどうだったんだろうか。

シュウが俺達の前からいなくなったこと事であいつは変わってしまった。

シュウと仁美は敵チームでありながら付き合っていて、俺や教官に何度叱られても別れる事なくとってもラブラブだったのに。

ゴッドエデンを出る日シュウはいなかった。

仁美は何度船長さんにもう少しだけ待って、と頼んでいたのだろうか。

シュウがいなくなった悲しみからか勉強してる時もサッカーしてる時も寂しそうだった。

そしてそれと同時に笑ったり怒ったりすることもなくなって…

雷門中の皆さんもそんな仁美の事情を知っていてか仁美の事を敬遠してるようだった。


「「「「「お疲れ〜!!」」」」」



「仁美、帰るぞ。」

『うん。行こっか。』

雷門中から寮までの距離は結構ある。

だけど…会話が続かない。

そして俺はあの禁句をいう事にいた。…あいつの為に。

「仁美…まだシュウの事が忘れられないのか?」

シュウ、という言葉にびくん、と反応する仁美。

「やはりそうか…いいか、シュウの事はもう忘れろ。
あいつはもう帰って来ない事ぐらいお前だっt『…分かってる!分かってるからもう言わないで!私だって…!シュウの事忘れようと頑張ってるの!
でも…シュウの事が好きすぎて…。大切すぎて、私のなかでの存在が大きすぎて…うわぁぁぁぁん!』

あの日以来、初めて仁美が怒り、泣いた。

俺はそっと仁美を抱きしめた。そして出来るだけ優しく囁く。

「お前の気持ちもわからなくはない。だけどな、シュウだってお前のそんな姿を見て喜ぶと思うか?シュウだって…上からお前の事を見てるんだ。これからは俺がお前を守るから。」

『はく…り…う。』

「忘れるんだ。お前の為にも…あいつの為にも「あはっ!そんな事はぼくの為にならないよ、白竜。逆に困っちゃうな〜。ぼくは仁美の事忘れた事なんてないから。」

俺の後ろのほうから聞こえてきた落ち着いた声は…

シュウの声だった。

「シュウ?シュウなのか!?」

「うん、そうだよ。神様にずっと交渉してたんだ。世界一大切な人をおいてここでのんびり見てられない!ってね。そしたらやっと折れてくれて…また君たちと出会えた。」

なんということだ。シュウが…生き返った…?

仁美を見ると整理がつかないのかポカンとしている。

「白竜。そろそろ仁美を離してくれないかな?一ヶ月待たせちゃったけど…仁美はぼくの彼女だからさ。」

シュウの周りに黒いオーラがでていたので俺は急いで仁美を離す。


「おいで、仁美。」

シュウが呼ぶと仁美はすぐにシュウに抱きついた。

『…シュウっ!!!!』

「…ごめんね、仁美。一ヶ月も待たせちゃったって…。」

『そんなことっ…!いまシュウがいるからそれでいいの』


…悔しいけど仁美の隣はシュウしかダメっぽいな。

「これからはずっと一緒にいようね。愛してるよ、仁美。」

すると二人はキスをした。


「っな///////!お前ら!それは2人のときにするもんだろ!バカ野郎!人にみせつけるな!」

「あはは。彼女がいない白竜にはちょっと可哀想な光景だったかな?ごめんね〜」

『白竜。』

急に仁美に名前を呼ばれた。

「なんだ?」

『…ありがと。いままで支えてくれて。』

「その件に関してはぼくからもお礼を言うよ。」

…支えるのは当たり前だろうが。好きなやつが辛い思いをしてるのに。

なんて言えるはずもなく。

『白竜?』

「…あぁ。お前らやっと…やっと一緒にいられんだな。
シュウも雷門でサッカーするんだろ?」

「うん、もちろん。」

「究極の俺には勝てないぜ?…まぁ、せいぜい頑張るんだな。」

そう言って俺はあいつらに背をむけた。




こういう失恋は悪くない


(いや、やっぱり俺は究極の存在なんだ!サッカーも恋もシュウになんか負けねぇ!)
(望む所だよ…白竜。とりあえずぼくと部屋を交代しよう。)
(誰が譲るか!シュウはいつだって仁美といられるからいいじゃねぇーか!)
(暗黒神 ダークエクソダス…)
(望む所だ!聖獣 シャイニングドラゴン!)
(ちょっ!2人とも化身で喧嘩しないで〜!)

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