短編☆

□好きって想い
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【じゃあ…明日、駅前でな。】
【うん!じゃあ…おやすみなさい。】
【あぁ、おやすみ。】
 

明日は剣城くんとデート。

サッカー部の部員とマネージャーという関係から彼氏、彼女になってけっこう経つけどデートに行ったのはまだ片手で数えられるほどの回数。

だからとっても楽しみ!


『明日に備えて早く眠ろ…。楽しみだなぁ…!!!』


そして次の朝。

いつもより1時間はやく起きて、そのぶんたくさん準備に時間をかけた。

お母さんに頼み込んで買ってもらった少しヒールがあるサンダルを履いてバッチリ!


剣城くんは身長が高いから少しくらいは…ね?

『いってきまーす!』


そして駅前について時計を見ると待ち合わせ時間の30分前。



少しはやく着きすぎたかな…と思っていると目の前にはいつもの違反制服ではなく、私服の剣城くんが。


『…剣城くんっ!』

私がそう言うと、剣城くんはすぐにこっちに気付いてすこし微笑む。

「仁美…はやいな。」

『そっちこそ…まだ30分前だよ?』

「っ!…遅刻するより先に来ていたほうがいいだろ。ほら、行くぞ。」

そうやってすぐに顔を赤く染めて歩きだす剣城くんはとっても可愛いな、って思った。


デートはサッカー観戦。

プロの試合は本当に迫力があって見てるだけでとっても楽しい。

隣に剣城くんがいるから楽しさは倍増する。

チラっと剣城くんを見ると子供のような笑顔でフィールドを見ていた。

彼のそういう所に時々見せる無邪気な所に私は惚れたんだ、と思った。



そして帰り際。

2人で仲良く歩く。

『剣城くん!あの10番の選手のプレー見た?すごかったねっ!!』

「あぁ…。やっぱ、プロの試合は違うな…」

そして剣城くんが「俺もいつかプロに入れるかな」とボソっと呟く。

『なれるよ、きっと!剣城君なら!うぅん、絶対なれる!』

 「聞いてたのかよ…!…ってか仁美…お前、はしゃぎすぎ…」

『だって!私は剣城くんのプレー大好きっ!かっこよくて、サッカー大好きっていう剣城くんの気持ちが伝わってくるし…』

そういうと剣城くんは顔が真っ赤になって俯いてしまった。

私もなんだか恥ずかしくなって俯いてしまう。


そして、無言のまま私の家に着いてしまった。

『あっ…じゃあ。今日は楽しかった。…送ってくれてありがと。…またね。』

「…あぁ。またな。」

そして私が剣城くんに背を向けたとき

「仁美…!」

剣城くんに呼ばれた。

「いいもんやるよ。」

ニヤリと笑って剣城くんから渡されたのは可愛いサッカーボールのキーホルダー。

『可愛い…!これ、私に?』

「…付き合ってまだなんにもプレゼントしてなかったから…!」

剣城くんは真っ赤になって、焦っていて…
また剣城くんの新しい所を発見出来た。

こういう彼も…大好きだ。


『…ありがとっ!大切にする。』

「あぁ、そうしてくれ。…ちなみに、俺も持ってる。」

剣城くんはそういうと鞄のなかから私と同じキーホルダーを出す。

『本当だ…!えへへ。なんか照れるね。』

「確かにな…でもこれがあったらいつでも繋がってる…って感じしねぇか?」



繋がってる。


剣城くんのその言葉が嬉しくて、私は自然に彼に抱きついてしまった。

『剣城くん、大大大大大大大大大大好きっ!』

「…知ってる。」


剣城くんは自分の顔を私に近づけて…

唇が重なった。

「…じゃあな。また学校で」

『うん!またね。』


そして彼は私に背を向け歩き出した。


『剣城くん!今日は本当ありがとーー!』

私がそう言うと剣城くんは足を止める事なく軽く右手をあげ、角を曲がった。




君とつながる


(今日、ヒール履いてて良かった…!ヒール履いてなかったら届かなかったかも。剣城くん、身長高すぎ…!)

(あんがい仁美って小さいんだな…。ま、そういう所も…)
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