Present for.....

□守りたいけど守れない
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『よし…ここがサッカー部で間違いないよね?』

手をグーにして力をいれる。
せーの…!!

がらららっ!

『あ…あの!私をサッカー部にいれて下さい!』

要件を大きな声で叫び私はこれでもか!ってぐらい頭を下げた。

ずっと伸ばしてる漆黒の長髪が私の全身を覆う。

しばらく皆さんの反応を待ったが突然の事に誰も反応してこない。

うぅ〜、やっぱりダメなのかな?

「…っあぁ!大歓迎だぜぃ!…えぇっと〜。とりあえず顔をあげて、名前を教えてくれないか?」

と、男の子に言われたので頭をあげると部室内がざわついた。


『え…?なんか私、変な事でもしましたか?その…穂です。中学2年生で今日、雷門に転校してきました!』

サッカー部の皆さんは私をジッと見てはパッと目をそらす。

「そうか〜!俺は円堂守、サッカー部のキャプテンだ!よろしくな穂!」

円堂さんは私の手をギュッと握ってきた。

会話の流れからは自然なのだろうが…

『あわわわゎわ〜!』

「ん?どうした?顔が真っ赤だぞ?」

『いえっ!なんでもありませんでございます!』

と言ってパッと手を離した。


「綺麗な人でやんす〜。」
「美人なマネージャーが増えたっすね〜」
「なんか勝てそうな気がしてくるな!」

するとそんな声が聞こえてきた。

『え?あの…。私、プレイヤー希望なんですけど…。女の子はプレイヤーダメなんですか?』

「「「「え?」」」」

…さすが、サッカー部のみなさん。
息も顔も全員揃ってます。

「おまっ…本当にプレイヤーなのか?」

青緑色の綺麗な髪の人に尋ねられた。

『あ、はい。その…お名前…「風丸だ。」…風丸さん、私がプレイヤーじゃおかしいですか?』

風丸さんは身長が私より大きいので見上げてしまう。

「〜///////っ!その…えぇーと。いや、おかしくはないけど…なんつーか。ごめん。」

そういって丁寧に謝ってくる風丸さん。うん、いい人だ。

「じゃあ、穂の実力も知りたいしサッカーするか!」

お〜、と言ってみんなが部室からでていく。

『あの…練習場所はどこですか?』

キャプテンがまだいたのでキャプテンに聞くと親切に教えてくれた。

「あぁ、ここから真っ直ぐに行ってテニスコートを右に曲がったらサッカー部の練習場があるから、そこに来てくれ。お前のプレー楽しみにしてるからなっ!」

『あっ!は、はい!』

私も部室から出ようとしたが…そういえば制服だった。
更衣室がどこかわかんないしここで着替えちゃお!

がらららら。

「おーい!穂〜。お前サッカー部の練習場所わかるか〜?って*○☆×%〜?」

『ふぇ?わっ、風丸さん!あわわわわわ』

「ご、ごめん!」

というとすぐにドアを閉めた。

『あっ、あっ、あの!キャプテンから聞きましたっ!わじゃわじゃありがとうごじゃいましゅ!』

やばいよ〜、カミカミじゃん…
絶対伝わってないよね?どうしよう…


「そ、そうか。ごめんな!じゃっ、じゃあ練習場で…」

『あっ!風丸さん!』

私はドアを開け風丸さんと目を合わせる。

『本当にありがとうございました!』

「あっ、あぁ!」

と言うなり風丸さんは走って行ってしまった。

私も早くサッカーしたいな!

ダッシュで着替えを終わらせてさぁ、練習だ!と行くはずだったのに…

ここ、どこだろう。
なんか周りからはすごく見られている感じもするし…
多分、目の色が珍しいからだと思うけど…。
はぁ、どうしよう、どうしよう。

「…どうかしたのか?」

すると浅黒くて銀髪の美形の人に声をかけられた。
綺麗な人だな…。

『あ、その。サッカー部の練習場がわからなくて…迷っちゃったんです。』

「…俺が案内してやるよ。こっち来い。」

と半ば強引に腕を引っ張られた。

わわわわわ〜!

「ほら。ここから真っ直ぐ歩いたらサッカー部の練習場だ。見えるだろ?」

『は、はい!ありがとうごじゃいました!そ、それでは!』

お礼をいうと銀髪の美形さんはなぜか笑っていた。

「お前、顔真っ赤になってるぞ?
俺は佐久間次郎だ。お前の名前はなんて言うんだ?雷門のマネージャーか?」

『穂と言います。あと、私はプレイヤーですので!では、本当にありがとうございました!』

にこっと出来るだけ感謝の気持ちが伝わるように笑い、ダッシュで練習場へ。



「穂か…。あいつ、可愛いかったな。プレイヤーって事はあいつも巻き添えくらってボロボロに…せめてマネージャーだったら…っっ!」



「遅いぞ〜、穂〜!サッカーやろうぜ!」
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