Present for.....

□信じてる
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始まりは偶然の続き!




今日はあいつに会えるんだ。
そう思うと自然と胸が高まる。
決めた、もし、試合に勝ったらこの気持ちをあいつに伝えよう。




「「ちょっと大川先輩!なにやってるんですか?」」

『え?天馬くんに信介くん。なにって…見ての通りだけど…?』

「ちゅーか、なぁ〜んで仮面をつけようとするんですかな?そのままが絶対可愛いって!」


見間違えるはずがない。
…やっと、見つけた。


「そうですよ、大川、仮面つけるなよ!」

『でも〜。』

「「「「「「「お願い!/(します!!)」」」」」」」

『どうして監督や神童くんまで?…わかりましたよ。今日は仮面つけません…』

「「「「「やったぁ〜!」」」」」

やっと会える…!
何年ぶりだろうか…

「穂っ!」

力をこめて彼女の名前を呼ぶ。
彼女は大きい目をさらに大きくして驚いている。

『もしかして…一番?久しぶり…!天河原だったんだ。』

ニコっと笑う穂。
それにつられて俺も笑ってしまう。

「大川先輩?天河原のキャプテンさんとどういう関係ですか?」

相手側の一年生だろうか、黒いオーラを放ちながら俺を睨んでいる。

「穂とはいとこなんだ。…雷門中の皆さん、今日はよろしく。穂は試合に出るのか?」

『私、ライセンス取るの忘れてて…今日は出れないの。』

穂の整いすぎている顔が沈む。

「そっか、また一緒にサッカー出来ると…思ってたのに…。ごにょごにょ…」

『ん?どうしたの、一番?』

「あっ、あぁ。なんでもない。じゃあな。」

「キャプテン!あの人、大川先輩のこと名前呼びでしたよ!」

「あぁ!わかってる、天馬!」

『2人とも…なに騒いでるんですか…?』



そんな雷門中の騒ぎ声を背後に俺は落ち込んでいた。
正直、穂の言葉にショックだった。
フィフスセクターの勝敗指示が出てる以上、雷門イレブンは本気を出して来ないと思うが穂とサッカーが出来る、と楽しみにしてたぶんショックは大きい。


「でも…勝ったら伝えるんだ…!」




そして試合は2-1で負けてしまった。
神童くんが先制ゴールを奪った時、雷門イレブンはフィフスセクターに逆らう事を知った俺たちは雷門イレブンにラフプレーをたくさんした。
そのことを神童くんに謝罪し、帰ろうとすると。

『一番…!ちょっといい?』

穂に呼び止められた。

「キャ、キャプテン!やっぱりあの人、大川先輩に嫌われちゃったんですね!(ひそひそ)」

「あんだけラフプレー仕掛けてきたからな…。天河原のキャプテンとして最悪だったから嫌われたも同然だ!(ひそひそ)」


「…なんだ。」

いまは穂に会わす顔がないのに。

『…久しぶりにサッカーやりたいんでしょ?』

すると穂から出た言葉は以外なもので。ってか、あんな小さい声を聞き取っていたのか…

「あぁ。…いいのか?」

『もちろん。』


そして2人で近くにあった空き地で久しぶりのサッカーをする。

「…穂、ガッカリしたか?俺に。」

穂にボールを蹴りながらそう聞くと穂は優しく微笑み横に首を振った。

「…嘘だ!俺たちはお前たちにあんなひどい事…『一番、嘘じゃないよ。一番はチームのために頑張ってたじゃない。変わってないな…って思った。』

穂はそう言って微笑み、ボールを蹴ってきた。

『サッカーが好きな一番が好きなの。だから…これからも頑張ろ?』

シンプルだけど心に響く穂の言葉。

俺は改めて穂に惚れたと思った。

「ホーリーロード、頑張れよ。ライセンス取ったら試合に出るんだろ?」

『うん…。一番、応援よろしくね。絶対、本当のサッカー取り戻すから。』

不安そうに、でもどこか明るく穂は笑った。

「もちろんだ!また…サッカーしような!」





信じてるから出来る事



(結局伝えられなかったな…。
でも、どうしてだろう。満足してる自分がいる。…いまは応援しか出来ないけど…いつか絶対伝えるからな。)



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