Present for.....
□変わらない優しさ
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信じてるの続き
ー狩屋視点ー
「穂ちゃんは本当に可愛いね〜!」
また始まった。
最近よく見る光景。
『吹雪さん…ありがとうございます。その、嬉しいのですがここ狭いですし…抱きしめるのやめて下さい…』
吹雪さんの胸のなかでもがく大川先輩。
「そうですよ、吹雪さん。」
「いま、移動中なんですよ?」
「コーチだからって好き勝手にしないでください。」
「まじで俺等キレますよ…!?」
「ふっ、みんな、やれるもんならやってみなよ…?」
『ちょ…みなさん、吹雪さん!落ち着いて!いい加減吹雪さんは離して下さい。苦しいです…』
本当に苦しそうな大川先輩。しかし知らんぷりの吹雪さん。
このままだと好きな人が他の人に取られそうで見るのが辛い。助けないとな…
「吹雪さん。いい加減離してあげたらどうですか?大川先輩は今日スタメンなんですよ?試合に支障が出たら白恋に勝てませんよ?」
そういうと吹雪さんはそうだった、といい大川先輩を離した。
『ぷはっ!狩屋くん、ありがと。』
にっこりと笑う大川先輩。
この笑顔って絶対反則だと思う。
こんな笑顔を見せられたら惚れずにいられない。
「っ〜////ど、どういたしまして…」
「「「狩屋の野郎…1人だけいいカッコしやがって…!」」」
そうこうしてるうちに試合会場に着いた。
「雪村…!」
吹雪さんが悲しそうに、だけど力のある目で雪村、って人を見ている。
雪村って人は白恋のエースストライカーらしい。
『え、雪村…?まさか…』
「…どうしたんですか、大川先輩?」
ぞくっ!
さっきからいろんな所から睨まれている気が…
いや、気のせいだ!きっと!
『ううん、なんでもない。きっと人違いだよ…』
そういって大川先輩は笑顔のまま控室のほうへ行ってしまった。
それと同時に俺に浴びせられていた殺気も消える。
なんだったんだろうか…
「狩屋っ!ミーティング始まるよー」
「あ、わかった〜、いま行くよ!」
大川先輩はどうするんだろう…?ま、大川先輩はしっかりしてるから大丈夫か。