Present for.....
□みんなの天使
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『天馬〜!部活行こ〜!』
授業が終わり、まず俺の耳に届くあの声。
「穂!もちろんだよ、早く行こっ」
やった、と言って小さい体で飛び上がる穂はとっても可愛い。
自然にこっちが笑顔になる。
ニヤけては…ないはず…!
「じゃあ行こっか!」
******
うぃーん
「こんにちはっ!今日もよろしくお願いしますっ!」
『よろしくお願いしますっ!』
チームの癒しでもある穂が来たからなのか、先輩達の顔が急に緩み出す。
「「おーす、穂、天馬。」」
そうやって穂の頭をポンポンと叩く先輩方。
『痛っ!誰か強く叩きましたねー!』
「あはっ、やっぱバレた?ちゅーか穂、可愛すぎ!」
そういって穂を抱き上げる浜野先輩。
『うぅー。また私が小さいからって…子供扱いしないでくださぁい…』
浜野先輩の腕のなかで口を尖らせる穂。
やばい、めっちゃ可愛いっ!!
部室のなかにのほほんとした空気が流れる。
「そろそろ練習行くか…。穂、今日もキーパー練習頑張ろうな!」
さりげなく浜野先輩の腕から穂を取り、下におろしてあげる三国先輩。
『三国先輩っ!もちろんですよ、私、三国先輩に憧れてるんです!いつか三国先輩みたいになれたらいいなぁ…』
穂の上目遣いは殺人級だ。
「「「「っっ//////!」」」」
自分が言われてないのにドキっとする皆さん。
もちろん俺もその1人。
『ふぇ?皆さん、どうしたんですか?顔が赤いですよ?も、もしかして熱でもあるんじゃ…!?』
首をコテン、と傾げたあすぐにパニックになる穂。
…無自覚って怖い。
「い、いや、なんでもない。」
「そ、そうです、なんでもないですよ!」
「さぁ、れ、練習だぁ〜!」
最近は穂のキーパー練習にみんなが付き合ってあげる事が多い。
まだ穂は化身になれてないのだ。
女の子なのに何度も立ち上がって挑戦する穂は偉い。
「行くよ!穂!」
『天馬かぁ…いいよ!来い!』
「魔神、ペガサスアーク!」
『護星神タイタニアス!』
「行くよ…ジャスティスウィング!」
『マジン・ザ・ハンド!
っっっっ!絶対取るんだっ!』
シュートを打ったボールを見ると…穂が持っていた。
『や、やったぁ〜!天馬、私出来たよ!』
「さすがだよ、穂!…うわぁ!」
俺に飛び込んでくる穂。
目の前にはとびっきりの穂の笑顔。
『えへへ…嬉しいよ〜!』
穂の目にはうっすらと涙が。
「「「「やったな!穂!!」」」」
『はい、ありがとうございます!ここまでこれたのも全て皆さんのおかげです!』
「…それは違うんじゃねぇの?」
小さな声で剣城がつぶやく。
「…穂がいままで努力したせいかが出たんだ。…俺たちはそのサポートをしただけ。…自信持てよ?」
『…うん!皆さん、本当にありがとうございました!これからも頑張ります!』
涙目で笑う穂を見た全員が穂に惚れてしまったのは言うまでもない。
その微笑みは天使のよう
(ちゅーか、ライバル多くない?)
(確かに…!)
(負けないド!)
(俺だって負けるつもりはありません!穂〜!)
(あ、天馬ずりぃー!)
その後、穂をめぐる対決は日に日にひどくなっていったとさ。