Present for.....
□いつもと違う顔
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穂「京ちゃーん。ここわかんない」
京介「こんなのもわかんねーのかよ」
穂「う゛っ・・・」
只今、幼馴染兼彼氏である剣城京介と1週間後にある学期末テストに向けて放課後お勉強会中だ。
彼は世間でいうツンデレの中のツンツンしか見せたことがなく、デレなんて告白した時から見ていない。
昔は素直でいい子だったのに。
そんな彼のデレを引き出すために、今回このお勉強会を企てたのである。
何故こうなったのかというと親友の葵に相談したところ、来週に控えている学年末テストに配慮して部活がない1週間を利用してきっかけを作ろう、という結果に至った。
彼の頭脳は学期末テストで学年トップで、裏腹に私の学年順位は下から数えた方が早いくらいだ。
テストが近いからということもあり、放課後の教室は京ちゃんと私だけだ。
よし、一発仕掛けよう!
穂「京ちゃん!デレて!」
京介「・・・は?」
あれ、直球すぎたかな?
京ちゃんは黙り込んでしまった。
私は、どうしようかと勉強している時よりも頭をフル回転させた。すると、
京介「おい、暗くなるからそろそろ帰るぞ」
穂「あれ、もうこんな時間!」
気づけば夕日が山の影に隠れだしていた。
私たちは、荷物をまとめて教室を出た。外に出ると肌寒く身震いしてしまう。
京介「お前、こんなに寒いのにマフラーしてねーのかよ。ほら」
穂「・・・ありがとう」
彼は私の格好を見て寒そうだと判断したのだろう。
私の首にマフラーを巻いてくれた。
先に歩き出してしまった彼を私は小走りに追いかけた。
付き合っているのなら手ぐらい繋いでくれたっていいじゃないか、とかそんなことを思いながら尽きることのないたわいもない話をして暗くなりかけた道を歩いた。
気がつくと隣り合っている私と彼の家はもうすぐではないか。
今回の目標である彼のデレが見れていない。
私の家の前に来ると私は覚悟を決めた。
穂「あ、あの・・・あのね。京ちゃんは私のこと好き?」
京介「・・・なっ!」
今、私は告白した時と同じくらい勇気を出したと思う。
自分で自分を褒め称えたいくらいだ。
京介「・・・だ」
穂「・・・へ?」
京介「・・・だからっ!俺は、茉南が好きだ!」
彼は耳まで真っ赤にしていて、いつもツンツンしている分、そんな彼は新鮮だ。
思わず黙り込んでしまった私に、
京介「俺にこんなこと言わせた仕返しだ」
視界いっぱいに広がる彼の顔。
・・・―――ちゅ
京介「・・・じゃあ、また明日な」
私は今日、彼の最大のデレを引き出したのかもしれない。
『いつもと違う顔』
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やっぱり心和さまが書く剣城君は最高ですっ!
ヤバすぎます…
リクに応えて下さりまして本当にありがとうございました!