Present for.....
□結局、俺は振り回される
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俺の彼女、結構ガキくさい
私の彼氏、結構怒りっぽい
−でもそんなところも大好きなんだ
*
皆で暮らしている一軒家。
いつの頃か暮らし始めた、お日さま園の隣の家だ。
お日さま園育ちの4人で仲良く暮らしている、のだが。
『風介の馬鹿!』
今日は珍しく穂の怒声が響いた。
あまり怒ることのない彼女にしては珍しいこと。
隣まで響くことはないが、家中には軽く聞こえる。
「不可抗力だ」
『大事にしてたのに!』
「仕方ないだろう」
今にも泣きそうな穂をチラリと見る風介。
宥める気などない。
ソファに座っている2人は見つめ合い(睨み合い)ながら論戦していた。
しばらくそれが続いた後、その部屋のドアが開く。
2人は一斉にドアの方を向いた。
誰が来たのか見てみると、入ってきたのは穂の彼氏である南雲晴矢だった。
見るからに不機嫌そうな顔をして。
「何してんだよ」
『晴矢!聞いてよ風介が…、』
「あぁ?」
ソファに身を乗り出して晴矢に事情を説明しようとすると、横から余計な台詞が飛んでくる。
「私が一緒にいるだけで…。男の嫉妬は醜いぞ」
「うっせぇ!何してたって聞いてんだ!」
とうとう怒り出した。
こうなるのはいつものことだから、誰も驚いたり怯んだりはしない。
『風介がね、私のアイス食べちゃったの…』
「…………は?」
何だその理由は。それだけで彼女は泣きそうな顔になって怒っていたのだろうか。
晴矢はどんなことを言われるか待っていたのに、あわよくば風介を殴ろうとすら思っていたのに、
そんな答えを出されるとは。
呆気にとられた顔でとりあえず聞き返すが、彼女は晴矢に事の重大さを知ってもらおうと言葉を加える。
『だって、だって、折角晴矢がくれたものなのに…』
穂が俯いていると、風介は、ほう、とニヤニヤして言った。
「そうだったのか。珍しいなプレゼントなんて。…ぷ」
「お前笑っただろ。後で絶対殴ってやる。」
先ほどしようと思っていたことを、やはり実行しよう。そう彼は決めた。
「また買ってやるから」
『ほんと?』
「あぁ」
『わーい!』
優しく言ってあげると、穂は見る見るうちに元気になり、彼に飛び付く。
少しよろけながらもちゃんと抱き留めるのは、やはり男の力なのだろう。
『じゃあさ、』
「ん」
『今買って!』
「え。今?」
『だめ?』
彼女の言葉を断れる人はいるだろうか。いやいない。
晴矢は仕方なく頷いた。
「はぁ…仕度しろ」
『ありがとー!晴矢大好き!』
結局、俺は振り回される
男がおれてしまうのは、やはり彼女の強さなのかもしれない。
(あれがいい!)
(はいはい)
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どうしよう!
晴矢の事、惚れ直した!←ぇ
【深謝に花添えて】の管理人、架李さまにフリリクをしました。
そしてこんな素晴らしい作品をもらうことが出来ました…!
感激です…!
これからもよろしくお願いします〜