Present for.....
□最強トリオの誕生
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今日は新雲学園の入学式。
真新しい制服に身を包み、学校に行く前にある場所へ行く。
『おはよ、太陽。調子はどう?』
「穂姉さん!来てくれたのっ!…新雲の制服じゃん!…そっか!午後から入学式だったね!」
そうだよーと返事をしながらベッドの近くにあった椅子に座る。
ベッドで寝ているのは弟の太陽。
生まれつきの病を持っていて検査の為に入院中なのだ。
「姉さん、今日は髪結んでるの?サッカーの時以外は下ろしてるのに。」
『うん、入学式の前にサッカー部の練習を見学するからその時にもしかしたらプレー出来るかもしれないじゃん?』
「あは、なるほどね。姉さんの髪は、結んでてもサラサラだなー…!僕と同じ色だね。」
『そりゃ姉弟だし当たり前でしょ?』
私達、姉弟の特徴の一つでもある太陽みたいなオレンジ色の髪。
私はそれを腰の位置まで伸ばしている。
『じゃ、太陽。そろそろ行くね。』
「えー…まだいいじゃんー。帰るのはやいよー!穂姉さん週1くらいでしか病院に来ないんだからもうちょっと一緒にいてよー」
上目遣い+潤目で頼みこんでくる太陽。
『じゃあ…もうちょっとだけだよ?新雲サッカー部の朝練見たいし…』
「やった!穂姉さんはプレイヤーになるの?」
サッカーの話になると急にキラキラ度が増す太陽。
…サッカー、大好きだもんね。
『もっちろん!とっても楽しみだよ!』
「じゃあ来年は僕と一緒にプレー出来るんだね!」
『うん、それも楽しみだね〜!そのためには早く体治さないと!』
そしてそのまま太陽と話しこんでしまい、気がつくと予定時間より30分過ぎていた。
『やばっ!急がないと〜!遅れ…はしないけどサッカー部の練習見れないよ〜!』
「急げ〜!サッカー部の練習終わる〜!」
真っ直ぐ走っていた私の横から誰かが走ってきて…
『きゃっ!!』
「うわっ!!」
ぶつかってしまった。
「いたた…ご、ごめん!大丈夫か?」
『は、はい…大丈夫です。あの、それより、どいてくれませんか…?』
今の私の体制はぶつかってきた人に押し倒された状態だった。
か、顔が近い…!
「@♪○*$\°%〜//////?ご、ごめ…」
急に視界が明るくなったと思ったらさっきの人はいなくて、代わりに女の子みたいな人がいた。
「大丈夫ですか?怪我はないですか?」
そして、その人が手を差し出してくれたのでその手をとり、私は立ちあがった。
『あの…さっきの人は…?』
制服についた汚れを落としながら気になった事を聞く。
「あぁ、彼なら…「おい!お前!さっきはなんて事をしてくれたんだ!」
すると、さっき私とぶつかった人がこちらにやってきた。
「お前、誰だよ!いきなりぶっ飛ばすなんて失礼だろ!」
ぶ、ぶっ飛ばした?
じゃあ、この人は女の子じゃなくて男の子…?
「失礼ですね。あなたがこの子を押し倒していたから悪いのでしょう?」
「そ、それはっ!あ、さっきはごめんな。俺は佐田土佐丸!新雲学園の新一年!サッカー部に入るつもり!よろしくな!」
「雛乃金輔。こいつと同じく…一年でサッカー部に所属するつもり、よろしく。」
「こいつとはなんだ、こいつとは!」
2人とも綺麗な笑顔で自己紹介してくれた。
『わっ!喧嘩しないで!…じゃあみんなサッカー部だね!私も新一年の雨宮穂っ!私もプレイヤーとしてサッカー部に入るんだ!よろしくね!』
「よろしく、穂ちゃん。」
「よろしくな。」
2人と握手を交わす。
「あぁぁぁ〜〜〜〜〜!!」
その時、佐田くんが急に大きな声で叫んだ。
「やばいよ、練習始まってるんじゃね?」
「『あぁぁぁ〜〜〜!!!!』」
私達は顔を見合わせ、同時に新雲学園にむかって走った。
「「『急げ〜〜!!!!』」」
私達3人の顔は笑顔だった。
『ねぇ!2人とも!』
一緒に走ってる2人に声をかける。
「ん?なんだよ?」
「なーに?」
『一年生からレギュラー目指して頑張ろうね!私達、運命的な出会いで出会ったし、なんか出来そうじゃない?』
「おぅ!絶対レギュラーになろうぜ!」
「そのためには練習あるのみ!」
今日、初めて出会ったけどこの3人ならなんでも出来る気がした。
(走りながら、しゃべった、から、息が切れ、ちゃった…!)
(穂ちゃん、大丈夫?)
(あ、ありがと、金輔。)
(チっ…。)
(あっ!学校まで、もう…少しだ!いそげー…!)
(絶対お前には負けねぇからな!)
(こっちだって!穂は渡さないよ。)
(まだお前のもんでもねぇだろーが!)