Present for.....

□始まりはここから
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『はぁ…。今日、だよね…。はぁぁぁぁ…』

今日でため息をつくのは何回目だろうか。
幸せ…たくさん逃げただろうな…。

ふと、鏡を見ると自慢のサファイアの瞳がいつもより暗くて、私の特徴でもある両側に天使の羽っぽいのがある長髪もあまり整っていない。

『こんなんじゃ副キャプテン失格だなー…もっとしっかりしなきゃ!』

両頬をペシっと叩く。
…少し痛かった。


「穂…さっきからどうしたんだ?なんか悩んでるのか?」

「そうだド、穂。こういう時の為に俺ら先輩に言うんだド。」

「俺らに出来る事があったらなんでも言えよ!」

優しい三国先輩、天城先輩、車田先輩が声をかけてくれた。

『あ、ありがとうございます、先輩方。…大丈夫です。これは個人的な悩みなので…。はい、大丈夫です…』

「全然大丈夫じゃねぇだろ。」
「ぼ、僕もそう思います…」
「本当に大丈夫なのか?」

倉間やあの速水くん、蘭丸とかにまで心配かけちゃってる…

「なんかあったら俺に言えよ。これでもキャプテンだからな。」

拓人が優しく声をかけてくれた。
…すごい頼もしい。
これはみんなに言うべきだな。


『あの…聞いてくだ「ちゅーか、穂の悩みって恋じゃねえの?ほら…恋煩いってやつ?」…え?』

浜野が私の言葉を遮りなにか言った。

…恋、煩い?
なんじゃそりゃ。




…。






しかもなんで部室のなかがしーんとしてるの?






…。




『あ、あの…「「「「「「ふざけんじゃねぇぇぇぇぇぇえぇぇえ!」」」」」えぇ??』

みんなが部室が揺れ動くくらい大きな声を出した後、私に詰め寄ってくる。

「本当なのかっ?」
「そいつは誰だ!」
「もちろん俺だよな?」
「南沢先輩は引っ込んでてください!」

「霧野…俺、もうキャプテンなんてやっていけないよ…」
「な、泣くな、神童ー!お、落ち着くんだ!」

うわぁぁ!拓人泣いちゃった?
なんか、ごめん!
ってかさっきまでのカッコいい拓人はどこへいったの?

『あ、あの!今日私の弟が入学してくるんです!』

「「「「「「は?」」」」」」

『今日、年子の弟が入学してくるんですよ。…あの子絶対サッカー好きだからサッカー部に入部してくると思うんです…。でも、いまのサッカーの事情を知ったら…』

やっぱ、教えたくないよ。
だって、あの子…天馬はこんなサッカーはおかしいって言うから。

そしたら…
絶対サッカー部に亀裂が入る…


「なるほどな。まだ教えてないのか、フィフスセクターのこと。」

私は静かに頷く。

「そっか…教えられるわけないよな。」

部室の空気が重い。


バッターンッッッ!!!!!!!!!!



すると大きな音がして、その方向を向くとセカンドチームの練習に行ってるはずの2人のマネージャーが肩で息をしながらなかに入ってきた。

「た、大変です!フィフスセクターの使いにセカンドチームが倒されました!そしていま、新入生が1人でその相手に…!」

「その子…すごい顔が穂ちゃんにそっくりで…!名前は松風天馬って…!」

て…てんま?
天馬が…フィフスセクターに1人で…?

『嘘っ、天馬っ!あのバカ…!なんで…』

すぐにポケットにいれてたゴムを取り出し上のほうに髪を結ぶ。

『私、行ってくる!』

ドアに手をかけようとした瞬間、拓人に腕を掴まれた。

「待て!…俺たちも行く。セカンドチームがやられたのに黙っていられるかっ!」

『うん…。行こう、拓人。』

そして私達、ファーストチームはグラウンドへ向かって走ったー…
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