semilog

□貴方に愛を、私に恋を。
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「U」

部屋の椅子に座って、優しく笑って私を呼ぶW兄様。

でも、彼の笑顔の裏に隠されている狂気を私達兄弟は知っている。


『どうしたの?W兄様?』

W兄様の元に駆け寄る。

兄様の目の前に着いた途端、腕を引かれ兄様の元に倒れ込む。

『ふぉっ…W兄様っ!?』

私の体が兄様の腕にすっぽり収まってしまった。

今は、兄様にぎゅっと抱きしめられている。


「U」

今日の兄様は何だか弱気だ。

何かあったんだろう。


『…W兄様…どうしたの?』

私は兄様に後ろから抱きかかえられているため兄様の表情を見る事ができない。

「Uは…いなくなったり……しないよな…?俺を…嫌いになったり……捨てたりしないよなっ?……U……」



………今日の兄様はヘタレです。
もやしです。
口に出したりはしないけど。


『兄様の馬鹿……』

「……U……?」




『私が!私達が!兄様から離れたりなんかするわけないじゃないですかっ!
どんな兄様でも兄様は兄様です!
他の誰でも無い、私の大好きな、大切な、兄様なんです!』



私の言葉が兄様の心に響くかは分からない。


でも、兄様は私が不安な時いつも励ましてくれた、笑ってくれた。


貴方に貰ってばかりのこの愛を。
少しずつ貴方に捧げたい。


『……W兄様……Uは兄様が大好きです!』
 

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