ミントン通信

□ホワイトブレス
1ページ/4ページ

(あーやっぱり外は、冷えてらぁ……)
山崎退は白い息を、手袋をしていても冷たい手に吹きかけた。
12月24日、23時。
ただいまひとり市中見回りの時間である。
なんでこんな夜にと思われるが、こんな年末の時こそスキを突いてテロ活動が起こる可能性がある。
今のところ特に変わりはなく、街はカップルやら酔っ払いであふれていた。
そんな様子を冷めた目で見ていた。
見回りが終わり屯所に戻っても、どうせ隊士達が宴会をつづけているだろう。一応見回りのある山崎は上手くかわして飲まずに、今に至る。
そもそも見回りは二人一組でかならず行わなければならない。
それなのに、山崎は現在ひとりである。
なぜかと言えば、一緒に回るはずの隊士が、どうしてもクリスマスに彼女に会いたいからと、山崎に頼んで見回り時間に上手く抜けたのであった。
もちろん副長に知れたら切腹ものなので、かなり内密な事である。
今のところ特に何もテロの情報もつかんでいなかったし、問題なさそうなので、ひとりで回ることにした。
(つーか、クリスマスなんてそんなに大事なもんかぁ?)
山崎は特にクリスマスには興味は無い。
しかし普段生きるか死ぬかの仕事を険しい顔でしているみんなが、騒いで笑って楽しそうな見ていることは好きだ。
だが、別にクリスマスじゃなくてもそれは見れる。
行事やイベントなど結構山崎は好きな方で、騒いでるみんなの世話をやいたりするのが、いつもである。
(すでに局長とかかなり酔っ払ってたな〜)
山崎はひとり、宴会場を思い出してほほ笑んだ。
酔った局長が、仕事したい副長を引き止めて、やたら絡んでいた。
(さっさと巡回して帰〜えろっ、と)
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ