ミントン通信

□想い想われ恋焦がれ
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(はー……今回は、かなり厳しかったな……)
監察山崎退は、町の情報屋から聞いた攘夷志士達のテロ計画が本当かどうか、調査を行っていた。
(でも、アレは絶対に黒だ)
攘夷志士達の潜伏先とされている宿屋にここ二週間ばかり張り込んだ結果である。
とりあえず今日の所は報告までで、今後志士の具体的な動きが見えるまで引き続き目は放せないであろう。
山崎は久しぶりに帰って来た屯所、副長室へ報告に行った。





「……と、言う訳で今はまだ大きな動きがなくても、今後も注意が必要だと考えられます」
「……ふん……なるほどな……」
土方は山崎の報告を受けながら、書類に目を通す。
「ご苦労だったな。……じゃあコレに関しては引き続きお前に任せる」
「はい」
「それじゃ、山崎、今日の所はとりあえず下がっていい」
「はい」
立ち上がりかけた山崎に、ふと土方が声をかける。
「ああ、そういやぁ、お前」
「へぃ」
まだ仕事の話の続きかと、山崎は土方の方を向く。
「いや、その……」
しかし土方は何か言い淀んでいた。
「?」
「……いや……なんでもねぇ」
「はぁ……全く薄情な上司でさぁ」
『!!』
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