ユウくん(仮)
□予告編
1ページ/1ページ
その日はいつもと変わらない、爽やかな朝やった。
何の問題も起こらんはずやった。
…はずなのに。
俺の部屋から見える花壇には、どう見ても…
人が、刺さってた。
**********
「…そういうわけで、これからよろしくね♪」
「……はあああ?」
突然目の前に舞い降りてきたのは、少年の日常を壊す悪魔だった。
「何で俺まで着いてかなアカンねん…」
「愛故に…ね?」
「まさか…嫌な予感しかせえへん」
「ちょ…ちょっと、どこまで行くん?」
「うっさいわ!!」
その日から、四天宝寺中に堪え難い笑撃の嵐が巻き起こる――
「…また喰らいたいんか?」
「あ〜ん、そんなに激しくせんといて〜」
「気持ち悪い!!」
「んじゃ、授業は通常通り運行されるからな〜」
唸り声、怒鳴り声……喘ぎ声?
「ん〜?モノマネ王子様がおるでえ?」
「おお、そんなもんいくらでも受けたるわ」
「…やめてっ!アタシの為に争わないで!」
シリアス半分、ギャグ半分。
まともな人間の登場率、0%。
「怪我は、無いな」
「さっきの人たちは何なん…?」
少年の消えないトラウマ。モノマネに対する怯え…
「…気は進まないが、説明したろうか」
―――かつての事件が、語られる。
「桃色の片思い〜♪」
「…相変わらず物好きね…」
「頭、大丈夫か?」
「お前とは、やってられんわ…」
愉快に(?)そこそこうまく(?)やってきたのに。
「俺はまだ、普通の生活に戻れるんや…」
避けられない亀裂が、二人を襲った。
「え…?!」
「……お前、メーワクやから」
「…良かったん?」
残るのは虚しい呟き。
「アイツはあれくらい言わなわからんねん、うざいわ…」
傷つけあって、どうしようもなく苛立って。
「おい…この前はよくもやってくれたな?」
「…すぐ戻るわ」
「…俺と奴が、会わなければっ…」
「コラァ!何をやっとんねん、ガキどもおおお!!」
もがいて、もがいて。
この闇から立ち上がることは、出来るだろうか。
「…ユウ、くん…?」
「アホ。心配かけた方が悪いっちゅーねん」
彼と、かけがえのない友人と。
「…おおきに、ユウくん」
全てを越えられる日は、意外にも近かった。
「頑張ってくれたお礼は、ちゃんとするからね…?」
…ぶちゅっ。
―――そして、目の前が真っ暗になった…
〜〜cast〜〜
一氏ユウジ/金色小春/
白石蔵之介/渡邉オサム/
不良たち/その他脇役の皆様/
小春「…まあ、半分は嘘やけどね☆」
ユウジ「半分はホンマなんか…?!」
****ユウくん(仮)