女神の夢

□異国妖怪
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「__………俺は…大事な人を守れなかった…」

「__…彼…は…大丈夫だから…」


悔しそうに俯く彼。

彼女は真っ赤な水たまりの中で彼に抱きかかえられていた。

その隣に横たわっていた男性。

瀕死の状態ではあるが、生きていた。


「俺は…お前が…__が好きなんだ。」

「!!///…ありが…とう…でも…私はそろそろいかないと…いけないわ…」


突然の告白に戸惑う腕の中にいる女性。

そして、徐々に体が透けて行く。


「__…?」

「私は…死なないわ…__…しばらくの眠りに…着くだけ…よ…」

「__…」


相手の顔はぼやけていてよく見えなかった。

けど、その人が悲しんでいるのは分かっていた。

なぜだか…彼女の頬にも涙が伝った。


「眠りから…覚めたら…返事する…か…ら…」


儚く笑う彼女に__は涙をこらえられずにはいられなかった…


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「…い…お…おい!起きろ!」

『ハッ…』


汗と涙が混じって服がくっついて気持ち悪い感覚がギアをおそう。

目が覚めて飛び込んできたのは白い毛並み。

物の怪だと判断するのにそう時間はかからなかった。


「すごい汗だな…」

『え?あ、あぁ…』


まだあの夢が頭の中に残っていた。

安倍邸に来てもう1ヶ月はたつであろう。

数日前からずっと同じ夢を見ていた。

とても現実味を帯びていてなぜか怖かった。

けれど、夢に出てくる人を認識されたくないのか黒いもやがかかっていた。
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