私が命を捧げる者。
□私は三成様の忍…
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「頼んだぞ、雪菜。」
「はっ。お任せください。」
そう言って私は三成様の前から消えた。私が忍になって、三成様に全てを捧げるようになったのは三年くらい前からだろうか。それなりに優秀な野良の忍だった私は三成様に拾われたのだ。
そして、人間付き合いの苦手な私がゆういつ懐いたのも三成様だけだった。だから忍の長からではなく、直接あの方から命令を受ける。
今日は奥州の独眼竜を偵察してこいと言う事で、私は早速米沢城へと向かった。
(…忍び込んで何時間か経つが、全く何の反応もない。)
ベタに屋根裏に忍び込んでずっと伊達の様子を伺うも…真面目に政務をこなすだけ。つまらん。なんだこいつは。
「いつまで隠れてるつもりだァ?」
ピクっと反応する。誰に言ってるのだ?私ではないはず…
「いい加減でてこいよ。どっかの忍。」
バレてる!?この私が!?事実を疑っていた時だった。思わず大勢を崩して屋根裏から落ちてしまった。
「ぃったぁ…」
「何してんだよ…忍のくせに。」
呆れた顔で見られた。ムカつく。キッと睨んで殺意を向ける。とりあえず逃げようと急いで消えようとした。
が、腕を掴まれて引き戻される。よろけた隙をつかれ、あっと言う間に組み敷かれてしまった。
「お前どこの忍だ?」
「……」
「答えろ。」
「……離せ。」
細く小さな声で言った。伊達の眉間にしわが寄る。無理だ…こいつとは話しにくい。ていうか三成様以外とは話した事が無い。