私が命を捧げる者。
□貴様なんか嫌いだ。
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また奥州への潜入命令が出された。今度こそは失敗は許されない。なんとなく重い足を引きずってまた米沢城へ来た。
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しばらく忍んでいると、片倉と伊達のこんな話しが聴こえた。
「…つうわけでだ。明日最上を攻め落とす。」
「は、承知致しました。」
ほーう…伊達は明日ここを開けて最上を攻めに行くのか。
「で、三成について何か掴めたか?」
三成様について…?一体何を探っているのだ?
「はい。石田三成…、元豊臣にいた者の残党です。毛利と同盟を結び、家康に復讐を望んでるらしく。そして…こちらに何度か忍をよこしているとか…。」
「Hum…分かった。さがっていいぞ。」
「はっ。失礼します。」
くそ…そこまでバレていたか。まぁいい、情報は掴めた。私は三成様の元へ戻ろうとした。
「待ちやがれ。」
低い声と共に一本の刀がこちらに向けて飛んできた。
間一髪の所で避けたが、天井が抜けて私はまた伊達の前に落ちた。
またバレてたのか…。この私を感じとるなんて。潜入命令では一度も見つかったことがないのに!なめんなよ!