私が命を捧げる者。
□これも、三成様の為。
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ーー米沢城ーー
「ぅわ…可愛いな…」
「どこの姫様だ…?すげぇ綺麗…」
じろじろと視線を感じる。城に入ると、伊達軍の雑兵達が私を見てヒソヒソと話している。気持ちが悪い…
「筆頭っ!!その姫さん何処で手に入れたんスか!?」
「姫?Ha…こいつはただの客だ。何処ぞの姫様を誘拐なんて汚ぇことはしねぇよ。」
「そ…そうスか。失礼しやした!!でも本当可愛いっスね〜」
一人の雑兵が近づいてきたと同時に、他の雑兵までもが私を見て「可愛い」「綺麗」などほざいてくる。
「……ッ…!!」
あっという間に私は、雑兵達に囲まれた。恐い…。人見知りな私は、三成様以外の人に見られるのも…話すのも嫌だった。なのにこの状況はあまりに恐くて仕方ない。
小さく後ろに引いて伊達の袖をくいっ、と引っ張る。何とかしろ、と訴えてるつもりだ。
それに伊達は気づいたのか…
「おい…お前等あんまじろじろ見てんじゃねぇよ。コイツが恐がってんじゃねぇか。」
「…すいません!」
ほら行くぞ、と手を引っ張って私を誘導してくれる伊達。私が恐がってるのに気づいてくれたのか…勘の良さは褒めてやろう。
「れ…礼を言う…」
小さく呟いた。伊達に聞こえないように言ったつもりだが、見事に聞こえたようだ。
「別にいいぜ、あんくらいの事。もう大丈夫か?」
「……ちょっと…恐かっただけだ…。問題ない。」
「…そうか。」