私が命を捧げる者。
□好敵手
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今日の仕事は三成様の見張りだ。政務中の三成様がいる部屋の前で敵が来ないかの見張り。
…なんて暇なんだ。ってこんな事思っちゃいけない!これも三成様をお守りする為なんだから!
「雪菜。」
「あ…はいっ。」
三成様に呼ばれハッと我に返る。
「刑部を呼んでこい。多分…庭にいるはずだ。」
「に…庭ですか?…分かりました。」
部屋を離れて庭に向かった。…なんで庭なんだろ。
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「刑部さーん。」
「ん?あぁ、雪菜か。」
振り返った刑部さんの前に…沢山の猫がいた。
「ね…猫?」
「うむ。こやつらと遊んでおったところよ。」
「刑部さんが…猫と…」
輿の上に猫。膝に猫。腕にも猫。と、猫まみれの刑部さん。なんか刑部さんが猫好きなんて凄く意外だった…
「あっ!三成様が呼んでいました。部屋にいらっしゃいます。」
「あい分かった。今から向かう。」
猫を庭に残して刑部さんは行った。…にしても、どっから来たのだろうか、猫。
「…ほら、自分のところに帰りな。」
ほれほれと猫を追い払う。どっかの飼い猫とかだったらまずいし。
…なんとか全部城から追い出した。