私が命を捧げる者。
□目的
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「政宗様。」
小十郎の声に足を止める。
「…あの忍はどうなさったのですか?」
「部屋にいる。鍵かけたから、逃げだす問題はねぇよ。」
「そうですか…。あの、何故あのような事を仰ったのですか?」
急に小十郎の顔が険しくなる。さっきのやりとりを聞いての表情だ。
「ah……一目惚れ、ってやつだな。」
「と、言いますと…?」
「あいつを正室に貰う。」
「し…正気ですか…!?頭でもお怪我されたのですか…!?」
「ちょ…jokeだ、joke!!」
本気にする小十郎の誤解を慌てて解く。するとホッとしたように肩をおとした。
「…だが、本気で一目惚れしちまった。」
「相手は忍ですぞ。」
「Ha!見かけさえ変えればどうにでもなる。」
「…は、はぁ…」
呆れ顔の小十郎を視界に捉えつつ空を見上げた。…と、小十郎がまた話しだす。
「それともう一つ。…何故あそこで、せ…接吻をなされたのですか。」
「成実が女はkissに弱ぇっつてたから…やったら何でも吐くのかと思ったもんでな。」
「………成実…」
政宗様は純粋ですな、とまた呆れられた。何がpureなのか分からず、首を傾げた。