おもちゃ箱
□三成じゃない、みっちゃんだよ☆
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「…………ぁ…」
これは…夢なのか。あ、夢か。
「……あまんり見るなっ!!」
ペチ、と頬を叩かれる。あ、夢じゃないんだ。
ある日の事だ。三成様に用があった為部屋に向かった。失礼します、と襖ごしに言うと…
『入っていーぞ。』
と子供の声が聞こえた。一瞬驚いたがゆっくり襖を開けると、三成様そっくりの子供が座っていたのだ。
そして今現在。
「み、三成様が…三成…様…」
「誰だきさま…私になれなれしく触るな!!」
迫力のない可愛い声で叱られる。くりくりした可愛い瞳が私を射ぬく。さすがに従う気にはなれない…三成様を抱えて吉継さんの元へ駆けた。
「吉継さんっ…!!三成様が…」
「三成がどうした?」
「こんな姿になって…私どうしたら良いのですか!?」
「……ま…まぁ落ち着かぬか。」
そういう吉継さんも動揺していた。幼児化してるなんて驚くよな…普通…。
ふと三成様が手から離れた。てくてくと吉継様の元へ歩み、………頭へ登っていく。
「蝶々…。」
「……ッ…」
吉継さんの頭の蝶?みたいな飾りを触る三成様…。可愛すぎて言葉もでない。吉継さんも苦笑いを浮かべてる。
「…美音、三成が何故このような姿になっておる?」
「わかりません…部屋に行ったらその姿で…。」
「そうか。……まことに可愛い姿になったな三成よ。ヒヒッ」
「……ぅ…ひぐっ…うわぁぁぁ!!」
「三成様!?」
大粒の涙を流しながら泣き叫ぶ三成様。どうしたのだ一体!?
「やだっ…怖い……!!」
「…………三成…」
吉継さんを怖がっているようだ。吉継さんは今にも泣きそうで、回りに黒いオーラが見えた…
どうやら記憶までもが幼児の頃へ戻っているらしい。